聖家族 (上)(下)

聖家族(上) (新潮文庫) 聖家族(下) (新潮文庫)


文庫本で上巻607ページ、下巻730ページにも及ぶ、読むのに覚悟がいる一冊。覚悟って何さ?
そりゃアンタ、決まってるじゃないか。たぶん読んでも中のストーリーは理解の外のままで、1337ページを読み進めることが出来るのかって話ですよ。気合出してやり切りましたよ。
本日はコチラ「聖家族」よりお送りです。
お話は狗塚家の兄、弟、妹の三兄弟を巡る、一族の壮大なヒストリーを描いたものです。初期作品「13」の頃ではまだ分かりやすい語り口でしたが、次々と作品が発表されるにつれて文章のルールを破壊し再構成するロックンロールーな姿を現し始め、ぶっちゃけ情けなく言うなら読み辛く理解し辛い文章へと変質していったのです。以前書いた作者さんの作品の感想を見てみたら、楽しんでいるようですが訳が分からなかったと毎回言っていました。どんな内容の本だったか今思い出そうとしても、新しい作品になればなるほど何も浮かばないという体たらく。普通新しい方が内容を覚えているものじゃないの?と自嘲してみても、思い出せないものは思い出せない。そもそも記憶できていたかも怪しいけれど。ああ、とうとう作者さんの疾走についていけなくなっちゃったかと寂しさちらり。
この小説は決してつまらないものではありません。ただ内容を噛み砕いて感想にするのが難し過ぎるのです。気楽に無責任に小説を読みたい私ではどうしようも出来んのです。