【福井晴敏】終戦のローレライ

終戦のローレライ(1) (講談社文庫) 終戦のローレライ(2) (講談社文庫) 終戦のローレライ(3) (講談社文庫) 終戦のローレライ(4) (講談社文庫)


感想書きます3月。のコメントより


>私の好きな本ですが、福井晴敏の『終戦のローレライ』です
文庫本にして四冊という長さなのでお勧めするのも少し気が引けるのですが、面白いです、とても。
とにかく引き込まれます。
戦争を扱っている小説なので、重い部分もあるのですが、ぐいぐい読ませてくれます。
そして、「日本」という国のあり方についても考えさせられる本です。


確かに文庫本で四冊と言う長さは気が引けますが、面白いと聞けば俺は躊躇わない男さ!
作者の福井晴敏さんは他にも「Twelve Y.O.」とか「亡国のイージス」とかの戦艦が出てくるお話を良く書いている印象がありますね。ミリタリー系とかそんなの。そして書店の一般書籍の棚に、ガンダムの小説も同じくらいせっせと供給しているガンダムオタクさんでもあります。
私もそんな福井晴敏さんの活躍は以前より耳にしていまして、作者さんの作品はご紹介頂いた「終戦のローレライだけ以前に読んだ事があるのです(ブログに感想はなし)。フフフ…まさか紹介者さんもピンポイントで既に狙撃されていたとは想像出来まい…。さらに「じゃあ、なんで終戦のローレライしか読んでないんだコノヤロウ!」と、もしかしたら憤りを感じたり疑問を覚えたりした時の為に言い訳させてもらいますと、それは私がガンダムに対する知識が全然ない為でありゴメンよブラザーとフランクに笑って誤魔化すしかないからなのです。ちょっぴり知ったかぶりが私のクオリティ。
さて、そろそろこちらの「終戦のローレライ」ですね。
そもそもこの終戦のローレライは映画化を最初から視野に入れて書かれた作品の様で、2005年に実際に実写映画化もされています。たぶん原作を読んだ人間の多くはツッコんだんじゃないかと思うのですが、2時間ちょっとの映像作品に文庫本四冊(単行本なら上下巻)という長編原作を書き下ろすって何の嫌がらせだろう?と私は思いました。映像化不可能なのか映像化させる気がなかったのか…こんな無茶なプロジェクトの行く末なんて恐ろしくて見られませんでしたが、そのうち地上波で流してくれたのでチラッと見るだけはしてみました。奇跡は起こらないから奇跡なんだナァとその時思った事を憶えています。
そんな映画とは完全に別物と区別して小説版に話は戻りますが、パッと見てこの終戦のローレライ第二次世界大戦をモチーフにした重苦しい印象を受けます。日本は敗戦したという変えられない歴史の事実、玉砕覚悟で戦地へ赴いたという戦争の末期、忘れてはならない記憶として語り継がれる内容はいつだって悲壮で少し過激です。よし、恐らくこれもそうだろうと覚悟を決めて読んでみると、このローレライはノンフィクションではなくてエンターテイメント、リアルと言っても例えるならリアルロボット、少し誇張するならSFとも言える内容なのは何かと議論の的になり易いですがごちゃごちゃ言う前にまず面白かったという事実を認めろぃ!とそこから始めればきっとみんな幸せになると思うよ うん。
この際ですから作中でたっぷりと語られるローレライに乗り込んだ船員の戦争に対する悲壮な決意や背景を漢の魂と一言でまとめてしまうなら(なんという横暴!)、漢の魂と漢の魂が激しくぶつかり合う熱い潜水艦バトルのお話であると思ってます。読んでいる途中でずっと考えていたのですが、第二次世界大戦末期の敵国と自国の戦闘で決死の想いのハズなのに、それ以上に戦いにワクワクしている自分がいる事に気づきました。極秘の任務の途中に待ちうける敵の戦艦や潜水艦は多数、こちらは潜水艦が一つ。戦力差は圧倒的なのに、超高性能レーダー「ローレライシステム」だけを頼りにフル活用で強敵を撃破していく様は、手に汗握る緊張と興奮の連続。これは戦争じゃない、スポーツの楽しさだ!まるで死力を尽くしてライバルと戦う決勝戦だ!(ただし負けたら死ぬ)。この辺のノリが、史実の世界対戦を忠実に再現した小説と一線を画してると感じるところでしょうかね。ローレライシステムとか、理性じゃ非現実的でナンセンスと否定できますが、本能じゃ「うん、かわいい」と思ってしまうのも仕方がないよね。フフフ…ローレライシステムとはかわいいものなのだよ…
なおこの作品、なかなか感動できる壮大なお話なのですが、ただ単にラストに泣けただけでなく私の目から物理的に涙まで引っ張り出しやがった数少ないパワフルな作品でもあります。俺を此処まで追い込めた(本当に泣かせた)やつはぁ、そうはいねぇ…。あいつぁ、大した野郎だったぜ…
とかなんとかで、思い出の本になってる作品ですね。




…って古い思い出を頼りに書いたらしょーもなっ!いつも以上にしょーもない感想!ごめんチョ
まったく関係ない話なんですけど、チェーン・ポイズンっていうのをそのうち読んで(買ってはある)感想書きますので許してネ。ウフフ…まったく関係なくて意味不明ね。何の事かしらね。ウフフ…