龍ヶ嬢七々々の埋蔵金2

龍ヶ嬢七々々の埋蔵金2 (ファミ通文庫)



最近面白かったライトノベルの2巻。
なんかタイトルに埋蔵金とか付いてても、金銀財宝は出てきませんでしたなぁ。出てくるのはオーパーツというかドラえもんの秘密道具というか、そんな感じの便利アイテムです。古代エジプトだとか、古くから伝わる西洋の秘術だとかの由来が付けば、相手の心が読めたり空を飛んだりなんて出来て当然だよねとばかりに登場する不思議道具を探すのが基本的なお話。ついでに殺人事件も並行で調べていたり、他に細かいおまけがぽろぽろ付いてるのも特徴ですね。楽しそうなものをいっぱい詰め込んでます。
とまあ1巻は大変賑やかなお話で楽しませてもらいましたが、 ( ゚Д゚)  フハハハハ、2巻で見事に失速しておるわい!
あたりめーだコノヤロー!初めから回収する気のない伏線を1巻以上にばら撒けばグダるに決まってるじゃねーかコノヤロー!余裕で3巻に続く展開じゃなくて、キッチリその巻でお話に決着をつけてチョロッとだけあったかなかったか分からないような謎だけ残しとけばいいんだよコノヤロー!読者馬鹿にすんなコノヤロー!キッチリ3巻買ってやるからなバカヤロー!言っておくが俺はちょろいぞー!
さてと…
おおまかなお話は1巻とそんなに変わらないでしょうかね。オシャレアイテムを探しに学校の部員と冒険に出かけて、適当にだまくらかしながらお宝ゲット!七々々さんのもとへご報告に上がる基本パターン。失速したーとは感じても、最初の面白さがだいぶありましたので、まだまだ読んでいて楽しいお話なのは変わりありませんね。だから俺はまだまだこのお話に付き合うって訳さ。
しかし、この作者さんの限界が一つ露呈してしまったようですな。それは温泉シーン。なんだあの色気の無さは! わざわざ舞台に温泉旅館を据えてなんという体たらく! 旅館を舞台にたいした事件を起こすわけでもなかったのに何故わざわざ温泉旅館を選んだ!
( ゚Д゚)  チッ、しゃーねーな…
別に私は温泉に来たからと言って女の子たちを脱がせとか、風呂を覗けとか言っているわけではないんですよ。まあよくライトノベルではエロい展開にするために風呂を覗きに行ったりしますが、というか覗くなよ、犯罪するんじゃねーよその愚かさにいつも嘆いています。間違えて女湯に入ってしまうパターンもありますが、これもグレーでありよろしくありません。何故犯罪を犯さねばえろーい演出をすることが出来ないのでしょうか。作者独自のフェティシズム、こだわりの強さが特に現れる場面だと思います。
例えば間違って女湯に入るのではなく、男湯と女湯が入れ替わる時間帯を設定し相手に間違えさせるようにする。こうすれば犯罪ではないし、見てしまっても仕方ないよね。そして相手の反応は露骨に恥ずかしがったり照れ隠しで速攻暴力をふるったりするのではなく沈黙。これね。この気まずさ、相手のジャッジを待つ間の空気の重さ。咄嗟に相手にグーぱんちをお見舞いすることは相手を罰するだけでなく、同時に罪に見合った償いを与えている事と同じなのです。罪に許しを与えているのです。許すな!とことん攻めろ!攻めてくれ!ほわぁぁぁ!
風呂場の垣根越しに女湯からレズビアーンなキャッキャウフフが聞こえてくるのも良くある手ですが、別に湯船の中で事を急ぐ必要はありません。むしろ目の前の分かりやすいシチュエーションに必死になる方が滑稽です。湯上り後の、体からほのかに上る湯気、浴衣か…いや普段着でも構いません、少なくとも濡れたままであるはずの髪はいつもとは違う雰囲気を醸し出しているはずで、そこに所見を挿入。少しくらいチラリと肌を露出するのも良いかもしれません。そして夜は女部屋に突入?突入してどうする。普通に夜這いでもするつもりか。違うだろ、主人公の大事なものがどういうわけか女性陣の私物に紛れてしまって仕方なく突入するんだろ。そこで危うく見つかりそうになるんだけどちょっと気のある女の子がかばってくれて窮地を脱するのはありだと思います。でも個人的にはストイックに任務を遂行して、ついでにヒロインのぱんつをずり下げて尻に落書きして下敷きを挟んで華麗に脱出するような小馬鹿にした展開が良いんですが状況が思いつかないのでぼくはしょーせつ家になれないなぁとおもいました。
…ハッ、俺は何を?
あとはステキアイテム「七々々コレクション」の使い道が、1巻2巻と続けてケンカに使う事だったのでバリエーションの少なさにちょっと残念な気持ちがあります。どういう方向に作者さんはお話を持っていくつもりでしょうか。だって主人公はただの高校生ですよ…、魔術とか伝承の武器を操って悪の組織とでも戦うんでしょうか。相手が違うんじゃないかな…。高校生は戦わなきゃ!現実と!