恒川光太郎

金色機械

どこまでも風が吹き抜けるような茫漠たる心地よさと、薄暗くも心落ち着かせる静けさ、そして物事が過ぎ去っていく寂しさ。 1700年後半の江戸時代、親に捨てられて野盗の仲間入りをして生き延びた熊悟朗と、両親が斬捨てられたのち人格者の義父のもとで育った…

金色の獣、彼方に向かう

俺は今無性にファンタジーに出会いたいんじゃぁ〜現実から離れたいんじゃぁ〜と悶々とする人々へ、せっせと空想世界を紹介してくれる作者さんはとってもありがたい存在です。 しかも何がイイって、この作者さんが描くお話って、どれもスタート地点が結構現実…

私はフーイー 沖縄怪談短編集

タイトルがあんまりかっこよくない…。 不気味な表紙に沖縄怪談短編集とハッピーな気分は到底望めそうも無いその雰囲気に「お、おぅ」とたじろぎそうになりますが、作者の恒川光太郎さんの作風は澄み渡るような静けさと怖ろしくも見惚れてしまう情景描写が魅…

スタープレーヤー

出て日数も経ってないので単行本しかないけれど、Kindle版がまるで文庫本のような値段になっていたので買っちゃった。¥750はありですね。 ちょいと一味違った幻想世界が魅力の恒川光太郎さんが描く今回のお話は、作者さんの作品には珍しい西洋ファンタジー…

竜が最後に帰る場所

この作者さんの新しい本が書店に並ぶと聞いただけで、ちょっと明日以降が楽しみになってくる。これは凄いことですよ奥さん。明日会社に行きたくない…(気力DOWN↓)、でも明日になれば刊行日に1日近付く!(気力UP!)。こんなに夢中になれる事なんてそうそう…

南の子供が夜いくところ

一作品ずつ読むたびに面白かったと本を閉じ、もっと好きになっていく。なんとも素敵な事じゃぁないですかね。 前から作者の恒川光太郎さんの語るお話は好きでしたが、今度のお話も以前のように不思議な異世界へと連れて行ってくれるのかしら…でも期待し過ぎ…

草祭

何かないかなとなんとなく立ち寄った本屋さんで、恒川光太郎さんの草祭という作品が文庫化しているのを見つける。今日は良い日になりそうね。 どうもこんばんは。本日のお伴はこちら、「草祭」でございます。 この草祭(くさまつり)は5つの作品が収録された…

秋の牢獄 (2日目)

おぉ、これはホラーだ…!これより古いのと比べると一番ホラーっぽい雰囲気じゃないですか! ガンガン怖がらせるんじゃなくて、ひっそりと忍び寄って来るような恐怖を演出しておられます。 表題作「秋の牢獄」ほか、「神家没落」「幻は夜に成長する」の3つが…

秋の牢獄 (1日目)

角川ホラー文庫という名前と事実ホラー小説メインという特性だけを意識するとあまり食指が動かないレーベルですが、実はファンタジーやSFや伝奇と言ったもののお話も結構あると言う事実。逆にそれらの性質が分かっていれば、自分好みの物語がとても見つけや…

雷の季節の終わりに (2日目)

( ゚Д゚) おもしろかった!後半の展開はなんかチガウと思ったけどおもしろかった! 恒川光太郎氏の描き出す異世界は、その情景描写を読んでいるだけでも楽しいです。どこか知らない世界を登場人物が散策しているだけで何冊でもいけるぜ! 物語の舞台は日本のよ…

雷の季節の終わりに (1日目)

恒川光太郎!恒川光太郎じゃないか! 以前読んだ夜市がハートにずっきゅんずっきゅん来ちゃった私です。開始数ページでありえんくらい物語に引き込まれるという幸せ体験は今でも忘れられませんな!そうしたらあれですよ、恒川光太郎氏の作品がまた新しく文庫…

夜市 (2日目)

「風の古道」 おもしろーーい! 昨日の夜市も面白かったけど、風の古道もなかなかどうしていいじゃないですか。 七歳の頃、花見に来た先で父親とはぐれてしまった時、通りかかったおばさんに教えてもらった道。夜になるとお化けが出るからまっすぐいくんだよ…

夜市 (1日目)

金魚の泳ぐ表紙がキレイ… この本には短編が2つはいっているので一個ずつ読んでいきますかね。というわけで今日は表題作の夜市です。「夜市」 こ、この雰囲気好きだー! 現実との境界が曖昧なまま、自然に夜市という異世界に入り込んでいくこの過程が実に良…