リアルサウンド 風のリグレット

リアルサウンド風のリグレット


せーがー。今日はちょっと古くてちょっと変わったゲームをプレイ。
長い休みが貰えると、自分が学生時代に現役だったゲームを中古で買ってきて遊ぶのが趣味です。1997年にセガサターンで発売されたこのゲームは、ポリゴンが売りの次世代機なのにグラフィックなしの音だけのゲームとして当時ちょっと話題になりました。ラジオドラマのように台詞と音だけでお話が進み、ノベルゲームのように途中で選んだ選択肢(もちろん音だけ)によって、その後の展開が変わります。僕の大好きなエネミーゼロを作った飯野賢治さんの、挑戦的な作品です。昨年42歳で亡くなられたのは、誠に寂しい限りです。


音だけのゲームを意識してか、取扱説明書の中に点字の紙が一枚入ってました。
都合よく私の母親が点字を習い始めていましたので、ちょうどいいやと翻訳を依頼してみました。以下がその内容。
「ワタシタチ ワープデワ テンジノ セツメイショヲ ヨーイシテ イマス。ゴキボーノ カタワ ヘンシンヨーノ フートーニ 130エン キッテヲ ハリ、カキヘ セイキューシテ クダサイ。(以下株式会社ワープの住所)」

それと中にはこんなものも。

初回限定の文字が入った、ハーブの種の袋です。発売当初に入れられたものでしょうから、17年も前のものですね。中古で買った割には備品がやたらと揃っていて、ちょっと得した気分です。植えたら育つかしら…?
母 <でもこういうのって、植えても結構育たないよ
Ω <うーん、なら17年も経ったこれはさらに望み薄だなぁ…

お話は小学生の時の淡い思い出が鍵となる、恋の物語です。大学生の野々村博司は付き合っていた彼女の紹介で、就職の面接を受ける機会を得ます。しかし彼女と面接に向かう電車の中で、突然彼女は忘れ物をしたと言って強引に電車から降りてしまうのです。何が何だか分からない博司でしたが、そのまま何日も彼女と連絡が取れなくなり心配で行方を捜すことにします。とりあえず向かった彼女の住まいで、手帳の落とし主をちょうど尋ねに来たという一人の女性と出会いました。彼女は不在でしたが、その女性、高村菜々の若干強引な誘いで二人して彼女の行方を捜すことになったのでした。
そんな感じで始まります。小学生の時駆け落ちしようと約束して、果たせないまま転校していった博の初恋の人。初恋の人と大学生の時偶然再会し、付き合い始めた博と彼女。彼女の失踪後、偶然行動を共にすることになった菜々。この3人の記憶は何故か微妙に重なり、何故か微妙に食い違う。ドラマが進むにつれて次第に謎が深まり、お話を盛り上げてくれます。
ゲーム画面が無いゲームですから、テレビにつないでも真っ暗な画面から優雅な音楽が流れてくるだけで、ロードもオプションもありません。セガサターンとスピーカーを繋げればOKのゲームです(笑)。たぶん普通のゲームだったらタイトル画面だろうなーという場面でずーっと音楽が流れていましたので、スタートボタンを押したらゲームが始まりました。一応セーブはオートセーブで、適当な場面でリセットしても途中から始められます。でもセーブは一つだけ。既読スキップも台詞の早送りも飛ばす事も出来ません。超ユーザーアンフレンドリー。ハッピーエンド目指してディスク4枚組、約4時間の一発勝負だオラ!
風のリグレットの脚本は、飯野賢治さんを偲んで脚本家の坂元裕二さんがWebで公開していて、検索すると最初から最後までのストーリーを見る事が出来ます。私が今回プレイして辿り着いたのもこのエンディングのシナリオです。キーとなるシナリオは満たしていても、ある登場人物の好感度が低いとハッピーエンドにならずこのエンドになるようです。ガッデム!誠実に生きている事で定評のあるこの私(何か?)が初見で条件満たせるわけねーだろーがコノヤロウ!と悪態をつきつつ、残念ながらハッピーエンド達成なりませんでした。もう一度初めからです。うん…しばらくしてやる気が出たらやりましょうかね…
正直ゲームとしては面白くはない…。でもこの時代に多く発売された意欲的な、面白い作品です。