The Little Prince (15日目くらい)

The Little Prince


内容が難しくてもページ数が少ないからね…。そんなに時間がかからずに読めたよ。(もはや15日は自分の感覚じゃ遅いとも思わん)
原書がフランス語の星の王子さまを英訳で読むという、よくわからない事をしてしまった「ザ リトルプリンス」も終了です。
内容が難しかったので日本語訳の星の王子さまも読んでみたんですが、易しい言葉遣いとは裏腹に、予想通りのいろいろ意味深い内容のお話で早々にギブアップして正解でした。宇宙の場面ではひたすら星の数を数えるビジネスマンが一人だけいる星が出てきたり、地球では狐が自分を飼い慣らしてくれと奇妙な提案をしてきたりと、理屈で考えると分からない不思議な出来事がいっぱい起こります。例えばサハラ砂漠のど真ん中で小さい王子さまに初めて会ったとき、王子さまの第一声が「Please...draw me a sheep...」なんですけど、砂漠で羊が…なんだって?draw?描く?引っ張る?羊を描くより羊を引っ張ってこいの方が砂漠に似合う気がするな…食料的な意味で。みたいな感じで勝手に取り違えたりしてました。ちなみに正解は「私に羊を描いてください」なのですが、砂漠で見ず知らずの人からいきなり問いかけられる言葉としては訳が分かりませんよね。単語のレベルは簡単でも、使い方がフリーダムでそこが難しい。
書店で売られていたときはTOEIC470点レベルとか書かれていましたけど、単語のレベルが470点ってだけなんでしょうきっと。そうかい…そうかい…(←読んでる途中に辞書を何度も引いた自分)
星の王子さまというお話は、一人の飛行士が機体不良でサハラ砂漠の奥深くに不時着してしまったことから始まります。一晩経って目覚めるとそばに小さな子供が立っていて、危機感の欠けたなぞなぞみたいな質問を次々と投げかけてきます。限られた水と食料が刻々と生命のタイムリミットを知らせてきますが、奇妙な子供にはそんな話はどこ吹く風。こちらからの質問には全然答えない子供ですが、彼の話を聞いているうち、彼は宇宙からやってきた小さな星の王子さまだという事がわかります。彼とわがままな薔薇しかいない小さな小さな星の…。
王子さまが星を旅した先々で会う大人たちはみんな偉そうですが、何の仕事をしているんだかよく分かりません。そして忙しそうに働いています。子供から見た大人たち、なんていうものがそういうイメージなのでしょう。私も子供の頃、夜遅くまで(と言っても子供が起きてられる時間は大したものじゃありませんが)働いて帰ってくる父親に対して「何の仕事をしているの?」と聞いたことがありますが、誰でも経験はあるんじゃないでしょうか。その時返ってきた答えは「よくわからん」だったのですが、子供心に大人でも仕事ってよく分からないものなんだ、と納得したことを覚えています。いや、子供だと思って適当なことを返しやがったんじゃねーか?と疑いの眼差し(反抗期)を持って数年後同じ質問をしてみましたが、「よくわからん(部下がやってくれるから)」と同じ答えが返ってきて、父さん…いいのかそれで…と思うと同時に、そういう適当さがやっぱり大事なのかなぁとある意味親の偉大さを再認識したりしました。
なんだか、大人って何も分かってない!みたいな内容も見受けられる本でしたが、逆に私から見れば子供って何も分かってない!とそっくりそのまま言い返したくなるセリフもあります。それは子供心を忘れてしまったからなのか、成長した証なのか…。子供の頃の世界はきらきら輝いて見えるかもしれませんが、大人の頃の世界がきらきら輝いていたっていいじゃないかと、夢見る子供のような事を言ういい大人がここに一人。ピーターパン症候群じゃないやい!