龍ヶ嬢七々々の埋蔵金1

龍ヶ嬢七々々の埋蔵金1 (ファミ通文庫)


第13回えんため大賞の大賞受賞作だそうな。埋蔵金って何さ。胡散臭さと前世紀の香りがする怪しさMAXのワードですな。
龍ヶ嬢七々々の埋蔵金1」。取り敢えずいきなり「1」なんて付いてる続編を最初から視野に入れた思惑が透けて見えるタイトルに、「一冊で終わっても良いと思えるくらい全力を注ぎ込めよコノヤロー!」と読者目線からでは思わなくもないです。読者馬鹿にすんなコノヤロー!とまぁ、とりあえず最後まで読んでみたところチクショウ面白いじゃないかコノヤロー!2巻に続くのも仕方ないかコノヤロー!と実に嬉しい心変わりをさせてもらいました。母さん…ライトノベルって面白かったんだね…(ちょっと泣きながら)
このお話がワタクシ好みだったところは、とにかくネタを詰め込んでくる物量作戦で楽しませに来てくれたところですね。まず埋蔵金なんてものを謳っていますから、お宝を探したりします。胡散臭さはともかく、宝探しはロマンがあってドキドキしますね。そんで探すお宝を私は最初金銀財宝だと思っていましたが、正解は世界各地にあったいわくつきの秘宝の事で、ぶっちゃけるとドラえもんの道具みたいな不思議な力を持った便利品でした。なんだか、秘密道具を使って一騒動でも起きそうな感じもしますね。そんな要素もありますが、お話が始まってすぐに遭遇するのは殺人事件だったりします。うぉ、なんかミステリーが始まったぞ。更にお話が進むと、主人公くんが引っ越した先に女の子の地縛霊がいるというドキドキ同居生活が始まったりします。主人公くんがおっぱいの魔力と戦い始めたぞ…! そうこうしていましたら名探偵なんてものが登場して推理を始めたりもしました。
( ゚Д゚)  なんかいっぱい詰め込んだなぁオイ!
イイヨイイヨー、面白そうな事いっぱい詰め込んで、面白そうな事がいろいろ想像できてとってもイイヨー。お話の中心に主人公くんがいますが、彼が同居人の地縛霊とキャッキャウフフしてもよし、殺人事件の犯人を探してもよし、真っ当にお宝探しをしてもよし、というか面倒くさかったら探偵を使ってお宝と殺人犯を見つけてもらうという反則技を使ってもよしという、あれこれ自由に想像できる世界観の広がりを感じ取れたのが嬉しかったですね。これからのお話が楽しみになります。
何より今回は、名探偵のキャラクターがとてもいい味を出していますね。チクショー個人的に名探偵という要素は大好きなのですが、しっかりと名探偵っぽい変人キャラにした挙句にヒロインに配役を持ってくるとか反則だろチクショー!
体を張って笑いを取り続けてくれる限り、名探偵 天災さんのファンは止められそうにありませんな。主人公くんとは、あばよとっつぁ〜んな関係になったのも意表を突かれた面白い展開だなと思いました。最後まで笑わせてくれるなコノヤロウ!
世界征服だーとマジで言っててドン引きもののセリフとか、自作の名言っぽい家訓を入れるも自虐的なセリフも合わせて入れてて作者卑屈だなぁオイ!とか思うところはありましたが、そんな細かいことは全然気にならないもんね!
オーケーオーケー、龍ヶ嬢七々々の埋蔵金”1”ね。喜んで”2”も付き合おうじゃないかコノヤロー!