【山下貴光】有言実行くらぶ (2日目)

有言実行くらぶ (文芸社文庫 や 1-1)


取りあえず有言実行くらぶという名のクラブで活動する高校生たちのお話、ではないです。連作短編の内の一つに、有言実行くらぶという秘密の部活を探るお話があるだけですね。
学校でも人気のある犬崎さんと猫沢さんという二人の男子上級生と知り合った、ちょっぴりさえない主人公君の物語。一つのヒーロー物語なんでしょうなぁ。行動力と自信に溢れた先輩たちは、主人公君の視点から見なくても輝かしく見えますもんね。憧れる先輩たちと一緒に奇妙でちょっと危ない事件を次々と解決していく夢のような充実高校ライフがそこに! そんな感じで適当に終わります。
まあ主人公君がそんな魅力的な先輩たちと一緒にいられるのは、たまたま以外の何物にも見えないのは好みが分かれるところでしょう。作中の他のさえない野郎たちからは、なんでお前ばっかり良い目見やがってと逆恨みされてました。うーん、気持ちはわかる。羨ましいもんね。
この作者独特の文章のリズムというか文字選びとかが、どうもしっくりこない私です。なんか話が飛んだ?となることがあるんですのよ奥さん。または、あれこいつらなんでこんなことしてんだっけ?とボケます。ある意味、味がある作風とも感じられます。なんだか面白くもあります。