秋の牢獄 (1日目)

秋の牢獄 (角川ホラー文庫)


角川ホラー文庫という名前と事実ホラー小説メインという特性だけを意識するとあまり食指が動かないレーベルですが、実はファンタジーやSFや伝奇と言ったもののお話も結構あると言う事実。逆にそれらの性質が分かっていれば、自分好みの物語がとても見つけやすいレーベルなんじゃないかと私は思います。
まず角川ホラー文庫の名の通り、お腹を抱えて笑ってしまうような明るいお話は存在しないでしょうね。と言う事は、静かで…ひっそりと…まあそんな感じで落ち着いた雰囲気のお話が読みたい気分な時。そしてファンタジーちっくだったらちょっと面白いかな…なんて思ったとき、角川ホラー文庫には恒川光太郎さんなんていうぴったりな人がいたりします。
もうぴったりね。私のニーズに。この作者さんの書くお話は静かな雰囲気が実に気持ち良いのです。一年に一冊くらいの寡作な人なのがちょっと寂しいですけどね。
そんな作者の貴重な本の一冊であるこちらの本。200ページちょっとという薄さが待ち望んでいた私の気持ちを若干焦がせますが、その分大事に読むからいいもんね。今日は土曜日明日も休日、そんな夕食後の静かなひと時に恒川光太郎さん。か、完璧だ。