【平山夢明】独白するユニバーサル横メルカトル (2日目)

独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)

えー本日予定されていた「このミス8本勝負―2日目―」ですが、諸般の事情から中止となったことをご報告いたします。
このミステリーがすごい第1位に輝いた「独白するユニバーサル横メルカトル」がまだ登場していないため半ば強引にでも残りを消化しようとしましたが、最早ミステリーという枠に到底収まる様なものでは無いため断念いたしました。
今日の所は棄権となりましたが「独白するユニバーサル横メルカトル」は明日登場であるため、3日目は余程の事が無い限り意地になってチャレンジする予定です。


オペランドの肖像」
これもうSFだよね。それほど遠くない未来、オペランドという条件付けによって社会が徹底的に管理される時代。人の心を惑わせるということで旧世代の芸術が処罰の対象にまでなった。という感じです。
で、油断してたら実はミステリー風味でもあるという事実。ここにきて不意打ちかい!
でもいいの。しっかりと練り上げられた舞台設定、職人の業とも言える世界を感じることが出来たから。
芸術が規制された世界、というのはその道のプロとも言える海外のSF作家が題材にしてたのに出会ったことがありますよ。この人、作品の幅が広いなぁ。


「卵男」
これもうサイコホラーだよね。レクター博士の様な肝が冷える迫力を再現してるだけでもう凄い。
死刑囚の男の語りにひたすら魅せられる一編でした。ただミステリーとしてやり過ぎであると言いたい!驚きの真相より、死刑囚の男は制御できないもっともっと危険な人物であってほしかったよー!


「すさまじき熱帯」
これなんて吉村萬壱
東南アジアのジャングルで人間の汚いものとか死とか狂気とかもう混沌としてヒィー!
ああ、この人の作品の幅の広さはただもんじゃない…ね。
生命力に溢れるお話でした。