泣空ヒツギの死者蘇生学

泣空ヒツギの死者蘇生学 (電撃文庫)
あなたはしにました。
第二の人生を歩む死人と、一途な少女たちのネクロマンティック・ラブストーリー開幕。(文庫帯より)


よし分かった!主人公は死ぬんだな!と了解した私ですが、ラブレターで校舎裏に呼び出されて即行撲殺されるという余りに不憫な死に様に、少々そりゃねぇよと思う次第でした。泣けるぜ。
まあ、死んだところから始まるらしい物語ですから、サクッと死んで頂いたことは良かったのでしょう。
その後、首だけの状態で目覚める主人公。
うおっ!なんという戦慄の事態!一目でヤバいと分かるし、というかグロッ!キモッ!という感覚的に大混乱の場面で妙に冷静な主人公の偲君に疑問が。自分を殺したかもしれない相手を、友人に接するように扱うその感覚が分かりません。初対面の人に少々不躾ですよ…じゃないや、自分の体を滅茶苦茶にされたのにどうしてそんなに呑気なの?と、こんな進め方をする作者に疑惑の念を持ち始めた所ですが、そのとき事の張本人の少女が一言「それがアンタの特性よ」。


特性なら仕方ないよね。(凄げぇ力技だ!)
分かった!ボクはそれだけ聞ければ十分さ!あとはそういうものと楽しむだけのことさ!


あはは、あはは、所々のギャクが微妙だなコレ!
お、お風呂イベントがあるとはええじゃないか。
死人として蘇った少年と蘇らせた少女、お付きのメイドも合わせてギャグやってみたり、シリアスに連続殺人事件を回してみたりと落ち着きが無いですねー。謎の組織も出てきましたし、訳わかんない奴が訳わかんない奴に倒されて解決しちゃう類の話か!そんでもって一般人は何も知ることなく、一部の関係者だけが悦に浸るような感じに…ん?


(((;゜Д゜)) ヒイィィィィィ!!
こ、これはあの!あ、あれだよあれ!
「わたしは、偲ちゃんが好き、です」 ←少しバレ
(((;゜Д゜)) きたぁぁぁぁぁ!!
(((;゜Д゜)) そして強えぇぇぇ!!


この作品は一人の強烈に力強いキャラクターを生み出すことに成功しました。
再び登場したときに、余りに強大な障壁となることが予想されてブルブルもんです。もうこの物語の全てはこの方が喰っちまった。


それでも偲は救おうとするのか!アンタ凄いよ!