FROM THE MIXED-UP FILES OF MRS. BASIL E. FRANKWEILER (1〜5日目くらい)

From the Mixed-up Files of Mrs. Basil E. Frankweiler


調子が良かったのでえいごの本をもう一冊読みました。読み終わりました。調子良すぎじゃないか自分。ハッハッハー。
先日読んだザ ノートブックが月曜に読み終わりまして、せっかくだから週末までに気合入れて1冊読み終わらせてみようじゃないかと挑戦したのがこちらの本。「フロム ザ ミクスドアップ ファイルズ オブ ミセス バジル イー フランクワイラー」。MRS. BASIL E. FRANKWEILERの部分は人の名前なんですが、正直なんて発音するか分からんです。雰囲気です。そして気合を入れたら本当に読み終わったんですよ奥さん。
この本は邦題だと「クローディアの秘密」となっているようでして、1960年代の結構古い本だったようです。ただ主人公が子供なので時代を意識するような事はあまりありませんでしたね。だってパソコンも携帯も学校じゃ出番なくても違和感ないですもん。日本語版のタイトルが原題とだいぶ違いますが、お話を読むと内容にぴったりのナイスなタイトルであることが分かります。原題をそのまま俺訳するなら「フランクワイラー夫人のごちゃごちゃした資料から」みたいな感じになるでしょうか。これも本を読むとなるほどそういう意味かと楽しめるタイトルなのですが、いかんせん長いと言われると反論出来ないところはある。
英語の難しさは、書店でTOEIC470点レベルみたいな感じで紹介されていました。これならイケる!と思いはしたものの、体感的には何故か先日読んだTHE NOTEBOOK(これはTOEIC600点レベルらしい)より難しく感じるという不思議な事態に。子供の話し言葉とか見慣れなくて結構難しいです!やたらと一節が長い文章があって何度読んでも分からなくなる部分とかもあった。そういう時は大人しく読み飛ばします。
さてお話ですが、クローディアという女の子が家庭内の不満から家出を計画するところから始まります。そんなに深刻な悩みがあったわけではなくて、お小遣いが少ないとか弟たちがうっとおしいとかそんなものの積み重ねの結果です。弟たちの中で金を貯めこんでそうなジェイミーを仲間に引き入れて、計画的な家出へといざ出発。家出先の住まいとして良さそうだとメトロポリタン美術館に忍び込んで、クローディアたちの家出生活が始まります。という感じのお話。
お話の途中で謎の人物のナレーションが所々入るんですけど、これはお話の後半で明らかになります。というかフランクワイラー夫人です。フランクワイラー夫人がSaxsonberg(サクソンバーグ?)という弁護士へ宛てた手紙のような説明文章なんですけど、夫人とクローディアたちがどういう関係なのか後々分かることにより楽しめる仕掛けがなされているのです。
クローディアが家出先でやりたかった事は「違う自分になって家に帰る事」。初めから家に帰るまでが計画済みで、ご両親を心配させないよう手紙を出すアフターケアもばっちりです。もちろんそんな事をしたって子供が失踪したら両親は狂乱するんですけど、そこまで頭が回らないのはご愛嬌。自分の賢さに自信があるクローディアですが、まだまだ子供だということなんですね。旅先の住まいのメトロポリタン美術館で警備員の目を潜り、美術館生活を始めるクローディアと弟のジェイミー。ジェイミーが結構能天気な性格をしていまして、姉の無茶な計画にも皮肉を言いながら付き合ってくれます。計画的(しかしお金に関しては除く)なクローディアと、結構無鉄砲(しかしお金に関しては除く)なジェイミーが面白おかしく協力し合います。
美術館に潜伏中、クローディアはある天使の像に心を奪われます。それは美術館がオークションで安く落札したにもかかわらず、実はミケランジェロの作品ではなかろうかと噂される今話題の一品でした。もし本当にミケランジェロの作品なら、その価値はオークションで落札した価格の何百倍にもなります。さまざまな学者が真偽を調査するその謎にクローディアは魅せられ、自分がその秘密を解き明かせばきっと私は一躍時の人で大手を振って地元に凱旋できるわ!とターゲットを決定します。さあクローディアは秘密を解き明かせるのでしょうか。
最終的にクローディアは秘密を解き明かすのではなくて、秘密を持って帰宅することになります。これはまぁ、なかなか面白い話なんですが、噂の天使の像を出品したフランクワイラー夫人に直接真偽を聞けばいいわ!と学者たちが涙目になりそうな方法で秘密に辿り着くんですよ。ちょっと偏屈なフランクワイラー夫人は奇妙な子供の訪問者に少し興味を惹かれて、彼女たちと取引することを持ちかけます。天使の像のヒントの代わりに、クローディアたちが美術館で過ごした内容を洗いざらい喋ってもらう事。秘密の交換ですね。フランクワイラー夫人はクローディアの「違う自分になって家に帰る事」という決意を実はよく分かっていまして、ちょっとしたいたずら心も込めて手助けをしたのです。それは自分だけの秘密を持つという事です。クローディアの凱旋計画は達成できませんでしたが、これから秘密を持つたびにクローディアは内面から少しずつ変わっていくでしょう、そう予感させて二人は帰宅するのでした。
うーむ、原題はある意味ストレートにこの本の内容を表していますが、邦題の「クローディアの秘密」は原題とだいぶ異なりながらもまさに主人公を一言で言い表していてどっちも味わい深いですね。プロの仕事ってカッチョイイなぁ。