ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり4 総撃編(上)(下)

ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり〈4〉総撃編(上) (アルファポリス文庫) ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり〈4〉総撃編(下) (アルファポリス文庫)




4冊目を迎えても、まだまだ異世界ファンタジー軍隊と自衛隊は戦ってます。もうちょっとだけ戦うっぽい。
弓と剣で戦う戦士に対して、マシンガンを容赦なく掃射する自衛隊にもはや敵は存在しません。「ちくしょうならば屈強なオーガに人間では持ち上げる事すら出来ない盾を持たせて突進だ!フハハハハ、ちっぽけな鉛玉なんぞ屁でもないわ!」とちょっとイイ恰好見せようものなら、すぐさま対戦車ライフルでお腹に穴をあけられるといういろんな意味でスッキリする力関係は、なんとこの4冊目でも変わっていません。そもそも一巻の10ページ目くらいからこの関係は続いていますから、なんともまぁ長いこと敵はひっぱたかれ続けてる事になりましょうか。バカッ!バカッ!悪いのはアンタたちなんだからね!とぺちぺち叩き続けていたはずの手が、この豚!豚!ひっぱたかれて喜んでんじゃないの!?オホホホ!と若干趣旨が変わってきたようにも感じられてすらきました。流石に私としましても振り上げた手を止めて「私の望む物は鞭とマスクなのだろうか?」と冷静になり、この長引く争いの現在の姿について疑問を抱き始めました。それはまるで、昔嫌いだったいじめっ子の姿がいつの間にか自分と重なっている事に気が付くように、忘れてはいけない勇気と思いやりを誓った自分が遠い存在になってしまったようでした。そう、あの日の私はちっぽけな存在でも、心は遥かに強く清らかだった…。済まない、大事なことをしばらく忘れていたようだったよ。一刻も早い戦争終結と平和が真摯な態度と誠実さを何よりも表すんだね。ではこのような事態に陥っている今作に対しては厳正に抗議するとして…あれ?単行本のペースから言って次で終わり?あ、あらそうなの。じゃあ、そうと決まったらさっさと片付けるわよ!この豚!豚!オホホホホホ!(機関銃掃射)
”総撃編”と副題の付いた今回は、ラストに向けての戦闘、戦闘、戦闘といった総力戦が全編に渡って繰り広げられます。主に決死の覚悟で戦うのは敵側です。これがTVドラマなら、自衛隊が映っているときは常に勝利のBGMが流れっぱなしのようなものです。負けられない戦いがここにはある!(ただし負ける気配はしない)
要するに最後に向けての通過点みたいな話と言えばそんなもんです。盛り上がりはするけれど、全ての決着は次回をお楽しみに!
ちなみに主人公である伊丹さんですが、主人公だけど話の主役じゃないのでいてもいなくてもお話は進みまして、おかげで本職の美女とキャッキャウフフに今回も専念しています。何人ものヒロイン候補に囲まれたらそりゃもう泥沼の嫁の座争奪戦が始まる事は必至、誰か一人をいつかは選ばなきゃいけないのがハーレム物の宿命です。しかしそれは日本っぽい世界が舞台の時の話。ゲートの世界では必ずしも従う必要は無いでしょう。つまり伊丹さんは「最後に誰か一人を選ぶ」選択肢は第二候補で、第一候補に「全員を嫁にする」を選ぶことが出来るはずです。あとはどれだけ増やせるかが勝負だ!もう最低!(頬を赤らめながら)