ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり5 冥門編(上)(下)

ゲート―自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり〈5〉冥門編〈上〉 (アルファポリス文庫) ゲート―自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり〈5〉冥門編〈下〉 (アルファポリス文庫)



もし日本の自衛隊が剣と魔法のファンタジー世界に迷い込んだりしたら?数万対数万の騎馬戦をやっている世界に颯爽と戦闘機と戦車で飛び込んで行ったとしたら?
ハッハッハ、ボーイ。そんなお伽噺、オレもミドルスクール時代に夢中になったぜ!なんて見栄なんか張らずに、麗しの女騎士やウサギ耳のメイドさんが溢れるワンダーランドへ出発さ。僕らはちっぽけな日本人だけど、自動小銃と数十万人の仲間たち、それとF-4ファントムがあれば、異世界の軍隊に決して後れは取らないよ。後れを取るどころかむしろ圧倒しちゃってるよ。僕らはこの世界の緑の巨人さ。
突如として銀座に開かれたゲートから自衛隊異世界の戦乱へ出撃するという、一発ネタみたいな始まり方をしたファンタジー戦記のお話が、この5巻でいったん終わりを迎えます。「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり5 冥門編」、最終章となるこのお話では、全ての始まりであった異世界へのゲートを閉じるか否かの最終判断が下されることとなります。異世界での戦闘も最終局面を迎えた大事な時期に発生するゲートの異変、日本を取り巻く諸外国からの圧力も一層緊迫感を増して、奔走する政府と自衛隊。ゲートの内側と外側から同時に攻められる待ったなしの一戦がとうとう始まる事となります。
既に前までのシリーズを全部読んでいる人にとっては「四の五の言わず、これで終わりだから読むぞオラッ!」の一言で十分ですが、まだ一冊も読んだことがないという人には、そりゃもう自衛隊がひたすらファンタジー軍隊を蹂躙する清々しいまでの英雄譚ですよと言っておきます。
さて最終章になると言ってはいますがこのゲートというお話、ご丁寧にも上巻のあとがきと下巻のあとがき2回にわたって”ファーストシーズン”終了と宣言していまして、上巻を読み終わって意気揚々と下巻へ行く際に「さーてこの下巻で終わり…じゃなーい!?」と不安やら戸惑いやら不安やらを心の片隅にスッと置いていくことをしていきます。ファーストシーズンだなんてアメリカのTVドラマみたいな言い方をされると、最終回じゃなくて続編に続く気まんまんのとんでもなくスッキリしない終わり方をしそうでまー恐ろしい。果たしてどうなる事やら。まぁ結果に関して僕は何も言いませんけどね。見てのお楽しみという事で。
結果はどうあれゲートという物語はこれで終わったわけですが、シリーズを通して自衛隊がとことん勝利する清々しいまでのお話でなかなか面白うございました。勝ちすぎて流石に都合が良すぎる展開かなー?と思う事はよくありましたが、味方のピンチに自衛隊員たちが颯爽と駆けつけるとそう来なくっちゃと熱くなってしまうものです。だっておめー、どういうわけか敵は野蛮人ばかりなのに、どういうわけか味方は凛々しい女騎士とかケモノ娘がいっぱいいるんだぞ?可憐な乙女たちが必至になって互角以上に戦ったけどもうダメって時に、スマン遅くなったけど俺たちが来たからにはもう大丈夫だ!と駆けつけて乙女たちが無事に帰還できるように戦うんだぞ?帰ったらちょっとロマンス的なご褒美が待ってるかもしれないんだぞ?語尾にニャ♪とかあざといんだよ!ウサギっぽいやつは「そうだウサ」とか言ってくれてもいいじゃないか!不公平だ、うわーん!
主人公の伊丹さんがどれだけ現地妻を集めるかも見ものでしたが、後半戦は少し伸び悩んだ印象がありますね。特にエルフ種が色違いとはいえ被ってるのが少し残念でしょうか。竜人族のジゼルさんは完全にビビらせきってるので引き込むことは難しくなかったでしょう。あとは動物の姿をもった獣人族のメンバーも入れられれば彩りも豊かになりますね。人間もいますが、ピニャさんは騎士というよりお姫様っぽいので、純粋に女騎士のメンバーも欲しいですね。以前不当にボコられた際の謝罪と賠償を請求すれば何人か引っ張れそうです。うーん、実に伊丹さんは女性の、いや男にとっても敵ですねぇ。もういやらしいんだから!
( ´3`) 〜♪
以上、続きがでるっぽいけど、ひとまずこれにてゲートは終わりです!バイバイよ!