ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり3 動乱編 (下)

ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり〈3〉動乱編〈下〉 (アルファポリス文庫)



(; ゚Д゚)  レレイさん普通にスルーー!!?
どうもこんにちは。ゲートの3巻(下)です。
そもそも正面から戦えば圧倒的戦力の日本側、瞬殺されるはファンタジー帝国軍。だけどもそこまで戦力差があるなら、自分の国の混乱を統治した上で言う事を聞いてもらいたい日本さん。そこに付け入るのが帝国軍。捨て身の如く国力を衰退させる危機を招きながら、敵味方無差別に弾圧しかねない内乱一歩手前状態でまだまだ日本にガンを飛ばしてきます。理性を失った相手には関わらないのが一番、むしろ近付いた方がお馬鹿さんなのよとほっときたいところですが、そうもいかないのが日本さんの辛いところだな!
というわけで動乱編の下巻では、自衛隊上層部の緊迫したやり取りや帝国内の混乱で逃げ惑う人々に焦点があてられて進められ、伊丹さんの出番は控えめとなっています。え、どうしてそうなるのかって?だって伊丹さん、美女とキャッキャウフフするのが仕事だし…。シリアスな場面が多くなるんだから当たり前じゃんッ!!
異世界の地元民や貴族なんかが弾圧と虐殺の憂き目に遭い、苦境を強いられる場面が続きます。日本としても助けてくれーと頼ってくる人々を何とかしてあげたいところですが、一人助けたが最後、一気に全ての人間を保護しなくてはならなくて中途半端が許されません。じゃぁいつやるの?と聞かれたからといって今でしょ?と即答できない難しい局面の中、一人のエリート官僚が自分の未来も周囲の偏見も殴り捨てて、別に好きでもない12歳の少女を「俺の嫁」宣言して救出の口火を切ったのは胸熱でした。あれは卑怯ですね。少女も機会を逃せば未来はなく命懸けですから遠慮無し、迷惑をかけることを承知で押しかけみっともなくても泣き、窮地でも子供の同情を誘って叫びまくる。もはや脅迫ですが、限界まで生きる意志を失わずに戦う人間を私は嫌いにはなれません。エリート官僚菅原さんにはホント同情しますが、未開の地の貴族で現在魅力皆無のあの少女ももしかしたら、菅原さんが暮らす超上流社会のご令嬢方に引けを取らない女性になるかも…。そんな未来もあり得るかもしれない力強さと才覚を持った女の子でした。今度は同情じゃなくて、実力で菅原さんを振り向かせられればベストですね。この少女の未来はまだまだハードモード!
一方そのころ伊丹さんはというと、次の目的地へ向かって美女たちとまだドライブの最中。高機動車の車内で装備を確認していた仲間に謎の医療品(コンドーム)の用途を聞かれタジタジになってました。相変わらずですねこっちは…。おい衛生科員、コンドーム追加だとよ! 一応救出作戦の一環として伊丹さんにも指令が行ってまして、小規模でしか行えない重要人物救出の役割を背負って敵本拠地へ潜入するところでした。いったん目的地近くの秘密の自衛隊事務所へ立ち寄り、作戦前に準備を整えます。そこは若干治安の悪い歓楽街のような場所でして、たまたまそこにいた顔見知りの地元娼婦とばったり出会い女性陣から詰問を受ける伊丹さん。口調は冷たいですが、反応は女性陣でも様々です。おい衛生科員、コンドーム!こんどはダースで持って来い!
泥沼化しそうな内乱にも自衛隊の活躍により希望の光はまだ繋がります。まぁ希望っていうか、日本側にとっては勝利するか完全勝利するかの違いしか最初っから無いんだけどね。でもどうせならたくさんの人が幸せになる方がいいじゃない?と明日への勝利を目指して今回は終了。次巻へとお話は続きます。そういえば少し異世界の地理的様子が書かれるようになりましたね。太陽があって大地は丸くて、特に違和感なく日本人が生活してますから地球と同じ大気があって重力も同じくらい。自転だったか公転だったの周期は地球より長かったんだっけな?この辺ももっと知りたいという気持ちはありますが、ハードSFは人気のジャンルとは思えないので我慢しておきます。それにこのお話の一番書くところはそこじゃないしね!