ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり3 動乱編 (上)

ゲート―自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり〈3〉動乱編〈上〉 (アルファポリス文庫)



どうも、愛の信徒 クリハラ・ロゥです。(未公認)
本日はこちら、「ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」より3度目の感想をお送りしております。
突如として日本の銀座に出現したゲートを潜り、ファンタジー異世界へと派遣されていった自衛隊の物語も折り返し地点。単行本として既に5巻完結している3巻目の、文庫本版です。未知の勢力からの侵略行為による混乱もひとまず収まり、反撃と戦争終結へと向けて邁進する最中から今回のお話は始まりました。
前回の古代龍撃退の直後、まだ興奮冷めやらぬ帝都よりスタートします。異世界では無敵だった大怪獣 古代龍さんは、1巻で自衛隊により深手を負わされ、2巻で住まいを襲撃されて止めを刺されまして、そして3巻では物語開始早々さらし首になって城門に飾られるという、ある意味涙を誘うオープニング役を担っていました。ヒドイ!古代龍さんが何をしたっていうんだ!生きる本能のままに長年の眠りから覚め、人間や動物たちを喰らい、近隣の村々を焼き滅ぼしただけじゃないか!あ、こりゃ討伐されるわ…。ゲートの悲劇のヒロイン、古代龍さん(♀)の苦難の歴史もここでようやく幕を下ろし、安らかな眠りへと付くことが出来たようです。ささやかな黙祷を捧げると共に、次のステージへと向かうお話を追っていくことにします。
一応、国家vs国家の大規模な戦争の様相を呈していますので、国の尊厳や陰謀があちこちで渦巻く賑やかな状態が続いています。あの人もこの人も、あれやこれやと情景を描写していったらキリがありませんが、主人公の自衛隊員 伊丹さんが戦争の渦中から一歩退いて好き勝手に異世界を旅して回れるポジションに着いたため、お話の方は割とすっきりとした感じになっています。戦争の面倒なごたごたはその他大勢のサブキャラがてんやわんやして、伊丹さんは異世界の片田舎でエルフ美女たちとドライブってなもんよ。ドライブのメンバーを確認!百数十歳の自分の事をお父さんと呼んで慕ってくる金髪エルフ!奴隷契約をしているけどそんなもん関係ない、ハートが奴隷のセクシーダークエルフ!見た目は黒いロリータ、歳は900歳超、バイオレンスな神様(でもホントは愛に生きたい)ロウリィさん!無口で無表情、どこか冷たい感じもするけど伊丹は特別(はぁと)な美少女魔導師!よく分からんけどいつの間にか地元の騎士団から派遣されてた美少女騎士!恐ろしい布陣だ、恐ろしい布陣やでぇ!その他のサブキャラが戦争のごたごたを引き受けているなら、伊丹さんは愛とセクシーとキャッキャウフフを一身に引き受けていると言って過言ではないでしょう。あまりの働きぶりに伊丹さんが過労で倒れてしまわないか心配になってくるようです。バカヤロウ!一人でなんでも背負い込む必要なんて無いんだ!俺たちは仲間じゃないか、迷惑をかけたくないなんて遠慮はいらねぇ!少しこっちに回してもいいのよ。
今のところ日本の戦力が異世界を圧倒している状況は変わっていないため、敵国の方でこれからあくどい作戦を実行しようかどうしようか着々と準備を進めている段階で、次第に不穏な雰囲気が漂ってきた感じがしています。例えば自衛隊員の恰好でテロを起こして混乱を招く、例えば無関係な地元民を盾にとって脅迫をする、例えば難民に扮して敵の本拠地に入り込み破壊工作をするなど。戦力差があるならそれ相応の戦い方、地味ながら実にいやらしいゲリラ戦法で対抗してくるようで気を抜ける状況にはなっていません。慎重にこれからの展開を見守っていく必要があるようです。
伊丹側のメンバーにも度々刺客が差し向けられ、外では気を抜けない状況になっているのは変わりません。国家の様々な思惑により誰ともわからぬ者が町中でも伊丹達を虎視眈々と狙い、宿では伊丹を巡っての愛の争奪戦で気の休まる暇がありません。こっちは平和そうだなぁオイ。
今回はメンバーのレレイさんがえらーい導師の学位に挑戦するため、研究発表をしに学問の都へと立ち寄る話がメインでした。若くして飛び級の学位に挑戦する緊張感やレレイさんの秘めたる思い、姉弟子との再会とさっそくの姉妹喧嘩などちょっとしたエピソードを交えつつ、さあ大舞台へ!という所でいったん上巻は終了です。
(; ゚Д゚)  ってレレイさんめっちゃ体張って終わったー!?ヒロイン魂マジぱねぇ!!?