【荻原規子】RDGレッドデータガール 学園の一番長い日

RDG5 レッドデータガール 学園の一番長い日 (角川文庫)



RDGレッドデータガールの5巻。そろそろお話の方も佳境に入ってきました。
サブタイトルに「学園の一番長い日」とあるように、以前から準備を進めていた学園祭の本番が今回のメインのお話となるようです。学生が主人公の物語では定番の展開ですね。
水子さんたち生徒会のメンバーは裏方として場を切り盛りする役目に回りまして、その他大勢の生徒たちは気兼ねなく学校行事を楽しんでいる様子です。この場で特別な注目を集めると何やら学校の裏組織に高評価を貰えるらしいのですが、そんな得体の知れない駆け引きはあくまで水面下で行われており微妙な静けさを保っています。というか駆け引きが学年上位の二人、高柳くんと真響さんばかりで今までずっと進んできたので学校全体のスケールなんだか内輪揉めなんだかイマイチ良く分かりませんね。決着には大勢の人間の意向が必要らしいのですが、隠したいんだか見せびらかしたいんだかはっきりせい!と感じることも少し。え、求めてるのは僕の様な一般人の意向じゃないって?あ…失礼致しました。
水子さんは運動系のイベントに積極的に参加するタイプでもないし、クラスの出し物は生徒会の仕事とのバッティングでほどほどにしか手伝えなかったりで、全体的に広く浅くな学園祭見物となっています。そんでいつの間にか泉水子さんにもファンがいることを少数確認しました。男女共に物珍しさ半分で声を掛けてくる人間もいるようになって来ましたが、ホラーハウス前でちょっと気があって勇気を出して声を掛けてきた男子生徒には少し同情。泉水子さん、深行くんには相当面倒臭い態度取ってるのに、自分の立場になると全力拒否で逃げ出すとか容赦ありません。姫神さんの試練はかくも厳しい…。
さて学園祭の催し物よりメインになるのは、秀才 高柳くんが主人公一派に仕掛けるリベンジマッチの方でしょう。こっそりと不穏な舞台を用意している臭いを漂わせてきた高柳くんが、とうとう泉水子さんへ牙を向ける時期がやってきました。大掛かりな術式と強力な式神を携えて、全生徒を裏で巻き込んだ壮大な計画がとうとう始まってしまったのですよ奥さん!高柳くん頑張ったんですよ奥さん!でも速攻で術を破られた余波で高柳くん、喋る犬にされてしまったんですよ!勝てるとは最初からあまり思っていませんでしたが、予想外にやられ過ぎて笑うわ!
水子さんは泉水子さんで、秘めたる力の制御のコツをどうやら掴んだ模様。謎が多いこのお話にどのような終わりが来るのか分かりませんが、取りあえず学園祭の締めくくりと共に5巻も終了です。