【荻原規子】RDGレッドデータガール 世界遺産の少女

RDG4 レッドデータガール 世界遺産の少女 (角川文庫)


RDGレッドデータガールの4巻。お話も後半戦に入ったところでしょうかね。続きです。
一応夏休みの続きからお話が始まりましたが、程よく残りの休みは飛ばしまして学園祭が今回のお話のメインになるようです。
もともと前回の合宿も学園祭でやるテーマをもっと話し合うために企画されたものですから、ずいぶん長い下準備になってきていますがね。テーマは戦国時代ということで地元密着型の地域史を調べるため、近くの城跡にみんなでお出かけしたり、戦国の衣装の着付け教室を開催したりすることになります。泉水子さんは基本的に実務能力皆無で愛想尽かされないか心配になりますが、今のところ表立った女同士のいじめは発生していない様子です。あんちゃん、いつ靴の裏に画鋲を仕込まれないかハラハラドキドキもんよ。
テーマがテーマなもんでお話の中にもだいぶ歴史的蘊蓄の量が多くなっていますね今回。数々の戦国武将や合戦の時期やその見解なんかを交えてのんびりと道中は進んでいきます。進んで行きながら軽くトラップ発動、モデルが来れないからって急遽泉水子さんが着付けの代役を務める羽目になるってよ!お下げの封印も解除して、衆目の下でトランス状態発生のピンチだぜ!
この辺りも主人公が困難を乗り越えて成長する試練の一つでしょう。さてどうなる事かと見守ってみれば、今までの経験で幾分逞しくなったキャラクター達は自分の力だけで何事もなくその場を収めることが出来ました。確実にお話の中でも時は流れ、みんな大人になっていっている事が感じられたエピソードでした。まぁ、次の章のタイトルで「顕現」とか初っ端思いっきり書かれてた時は、ダメじゃん!やっぱり姫神=サン出てきちゃうんじゃん!って笑ってしまいましたけどね。
珍しく姫神さんがしばらくお外に出てきたのですが、この姫神さんなんか可愛いんですけど。姫神さんから右手が下僕への手(意訳)、左手は神様への手(意訳)と説明されて、どっちの手を握ってデートする?(意訳)と聞かれた日には喜んで右手を握ってしまう極一般的な私ですが(なにか問題でも?)、機嫌を損ねたら神罰が下るというスリリングな道中におらワクワクすっぞせざるを得ません。
そんで深行くんと姫神さんの秘密のお出かけにぷりぷりしちゃう泉水子さん、成長したけどめんどくさい女になったわねー!泉水子さんもようやく色気づいてきたのは良いんですが、真っ向からぶつかると恋愛模様に思いっきり振り回されそうなんで予断を許しません。芯を強く持って欲しいところです。
学園祭の準備が佳境を迎えるころ、現れましたる今度の敵は以前ぼっこぼこにした学年一位の秀才、高柳くん!(またお前かよ!)
リベンジを兼ねてか用意周到になにやら着々と事を進めているようでして、泉水子さん一派に攻勢をかけるつもりなのがうかがえます。お前どうせ負けるだろと戦う前から突っ込んでしまいそうな対戦カードですが、全体のお話の方もそろそろ佳境に近くなってきているため何かの契機にでもなればと思います。しかし高柳くんはアルジャーノンに花束をが愛読書ですか。僕もその本大好きですよ。あぁ、分かります、きっと高柳くんはいい奴に違いない。
そんなこんなで4巻も終了。学園祭の本番は次回持ち越しかよ!だいぶ引っ張るなそれ!