【七河迦南】七つの海を照らす星 (2日目)

七つの海を照らす星 (創元推理文庫)


のんびり読んで、七つの海を照らす星も終了です。
訳があって家族では暮らせない子供たちが集まる児童養護施設、七海学園で語られる七つの不思議をモチーフにしたミステリー作品。ミステリー作品だからか、お話の情景や状況は徹底的に登場人物の長いセリフで語られまくるので、口やかましいお話が好きじゃない私には少しマイナス。しかたないよね。でも登場人物の嬉しい気持ちや悲しい気持ちを、登場人物が直接「嬉しかったの」とか「辛かったわ」とか言ってダイレクトに読者に伝えてくるのは分かりやすいけど、余韻も何もあったもんじゃない。違うんだよこう…、態度で示して欲しいというか…!ミステリーならおかしなところはないけれど、やっぱり割り切れないというか…!何を言いたいかわからんのは自分でもわかってる!
読後感の良い、爽やかな結末の感動的なお話ですよ、ええ。
七海学園で職員として2年目の春菜さんは、学園の問題児たちと接するうちに彼らの行動には何やら訳があるのでは?と疑問を抱きます。疑問には思っていても自力ではどうにも力不足な春菜さんでしたが、問題に呼ばれてやってきた児童福祉司の海王さんに事情を説明したところ、驚きの裏側を推理して披露するじゃありませんか。子供たちの行動の裏にはそんな理由がやっぱりあったんだと一安心の春菜さん。春菜さんと海王さんの不思議な関係はそれから度々続いていくのでした…みたいな感じのお話です。
全てを包括する7つ目の最後の謎は、予告通り言い切っちゃっても大丈夫な、驚きの真実でした。もうヤケクソ気味に詰め込みまくったのかしりませんが、唐突に出てきた作者の名前ネタとか素直に驚けまして、ついでに笑っちゃったりしましたね。楽しませてくれる所はしっかり楽しませてくれます。そして出てくる子供たちは、本当にいい子ばかりですからね。チクショウいい子過ぎて絡み辛いよ!(いや無理して絡む必要とか無いね…)