【丘修三】ラブレター物語

ラブレター物語 (Green Books)


お盆間近でございます。最近の太陽は本気で殺しに来てるんじゃないかと思うくらい暑い日が続きますが、皆さま いかがお過ごしでしょうか。学生の方々は夏休みの真っ最中ですね。
そんな時期なので私も気分を変えて、昔の気持ちを思い出してみようかとふと思いました。
本日のこちらは、今年の千葉県での課題図書に指定されている本です。ああ、読書感想文!なんというおぞましい響き!本が好きな人間は本を嫌いに、本が嫌いな人間はもっと嫌いになる魔法の言葉です。私が学校を卒業して幾数年、もう関係のない事柄ですが、呪縛から解き放たれた今ならトラウマも克服出来たかもしれないと考えました。そんな事を考えるくらい暇でした。私は社会人で言うと六年生という理由で、適当に小学校高学年向きの課題図書の中から選びました。(クックック…これで夏休みの読書感想文で悩む小学生が、苦し紛れにネットで検索したところを引っ掛けてアクセスを稼ごうって寸法よ)
そんな感じの「ラブレター物語」でございます。読書感想文は「〜です。〜ます。」のですます調より、だ・であるの断定的な方が高学年は良いらしいのでそっちでチャレンジです。あとは…小学校高学年の部は文字数制限1200字以内ですか。400字詰めの用紙で3枚と言い換えると、気が滅入るのは何故だろう…。



〜ラブレター物語を読んで〜
この本は課題図書に指定されていなかったら知らないままだっただろう、不思議な縁で出会えたと思う。名作だろうと凡作だろうと本との出会いは結構適当なもので、私はいろんな本とそうやって出合ってきたものだ。だからそこに問題はない。ただレジで1400円という値段を言われた時、そんなに高いのかと少し耳を疑ってしまった。単行本の値段設定としては確かにおかしなところはないが、課題図書で読むことを推奨しているのに、しかも小学生が買っていく物なのに少しは手心を加える気はないのかと、僅かばかりの慈悲をかけて欲しいと考えることはおかしいのだろうかと悩むところがあった。いや、気軽に買えない者は図書館へ足を運び、利用するきっかけを与える教育的見地からの価格設定なのかもしれない。私に行政の真意まで汲み取ることは出来なかった。
このラブレター物語は、作者からの「人を好きになるということはすてきなことです」というメッセージが込められた、六つの恋の話から構成されている。全てのお話で紙に直筆で想いを書いた、古くからある形式のラブレターが登場する。コミュニケーションの方法が多様化した近年では、伝えやすさや気楽さでもっと違った形のラブレターを送れるだろうと思う事はある。ただ直筆と紙でという方法はデータとは重みが違い、手間暇から伝わる想いが特別なものであるという事はとてもよく分かる。紙のラブレターの素晴らしさを伝えたい作者の気持ちが前面に出て、少し物語に偏りがあるのだろう。
それぞれのお話の主人公は、人を好きになった想いを伝えたくて手紙を書いていた。好きになったあの子が突然転校することになったから、気になるあの子がデートの約束をしている噂を聞いたから、様々なきっかけで伝える時間が限られていることを知り行動に移していた。私だって小学生の時、人を好きになる気持ちは知っていた。知ってはいたが、付き合って何をしたいかと考えたら何も思いつかなかった。というか何もしたくなかった。そもそもそれは人を好きな気持ちじゃないのではないかと考えた。つまり想像の中で勝手に想い人役に抜擢したクラスのあの娘を、私は別に好きじゃなかったわけだ。勝手に振った事にまでして申し訳なさを感じた。このお話で登場人物たちは人を好きになる気持ちを一生懸命に語るのだが、好きになって何をしたいかはほとんど教えてくれない。分かっている。そこを「なんで?」とわざわざ聞かないと分からない人間だから、私はモテないのだと。第一、本のタイトルからしてモテない人間が読んだら辛くなる事は分かり切っていた。正直言うと、いろんな意味でこの本を読むのは辛かった。なんで読んだのだろう。
ただ、最後の物語では死ぬ前の父親からの家族に宛てたラブレターが出てくる。これも愛の手紙であり、ホロリと心に響いた。ラブレターの良さ、私でも最後で良く分かりました。
〜ここまで〜


これでWordでざっと数えて1193文字(空白含まない)ですね。おっしゃ、400字詰めで3枚書けたぞ。書いたは良いが、本を小学生で指定して、字数を小学生の規定に制限して、内容を小学生らしくしてないから中途半端だな今更だけど…。あと口調は変えても感想のノリがいつも通りなので、読書感想文を探しに来た小学生が使えなくて時間を無駄にする代物が出来上がりました。クックック…始めからそうなる事は分かっていた。あと読書感想文は、やっぱり嫌いです。