【七河迦南】七つの海を照らす星 (1日目)

七つの海を照らす星 (創元推理文庫)


本日の適当セレクション。
児童養護施設の子供たちが遭遇する過去と現在を繋ぐ不可思議な六つの謎、との内容説明がありました。子供が主人公のファンタジックなお話なのかしら?あら、それってステキじゃない?
そんな感じで適当に本屋さんから見つけてきました「七つの海を照らす星」よりお送りしていきます。
ちなみに第18回鮎川哲也賞受賞作との触れ込みもありましたが、これって推理小説の新人賞なんですよね。こういう賞っていっぱい種類がありますから、傾向を思い出せなくてなんだっけかなーまあいいかーという風に読んでいましたのでミステリーになっていて意表を突かれました。うむ、悪くないサプライズ。殺人の起こらない、いわゆる日常系のミステリーというものです。
舞台は田舎の児童養護施設、七海学園。そこで働いて二年目の保育士さんがお話の主役となります。子供が主役じゃなかった!脇役だった! 様々な事情で親元で暮らす事の出来ない子供たちが集まるこの施設で、新米保育士の北沢さんは今日も悪戦苦闘。いっぽう多感な時期の子供たちは、悩みの種もいろいろある微妙なお年頃。いざこざや諍いも日常茶飯事なのですが、よくよくお話を聞いてみるとこれは死んだあの人の意志を継いでいるんだとか、お金は用意したけど悪事には手を染めてない信じて!とか、よく分からないまでも何やら事情がある様子です。悩みがあるなら子供たちの力にはなりたいけれど、いささか無力感溢れる北沢さん。そんなとき児童福祉司の海王がふらりとやってきて、彼らの悩みに隠された驚きの真実を鮮やかに繋ぎあわせてくれて解決する、そんな感じのお話です。
依頼者は子供たちで、読者の代弁者兼助手が保育士の北沢さん、海王さんが探偵役ですね。基本そのパターンでお話は解決していきます。全部で7つのお話が入った連作短編集。最後に明かされるのは、どうやら驚きの真実らしい。楽しみですね。
のんびり読んでますので、もうちょっとだけ続きます。