【ジーン・アウル】ケーブ・ベアの一族 下(3日目)

ケーブ・ベアの一族 (下) エイラ 地上の旅人(2)


ケーブ・ベアの一族の下巻も読み終わる。そしてエイラの冒険も終わる。いや、終わらない。全然終わらない。むしろエイラの冒険はこれからだ!という感じで取り敢えず終わる。全6部構想の決意がありありと感じられます。
どうもこんばんは。エイラ−地上の旅人シリーズの1作目、ケーブ・ベアの一族(下)よりお送りします。
上巻は読み終わるのに2日ほどかかりましたが、調子よくお話にのめり込めたおかげで残りは一気に読むしかないね!と我慢することなく楽しむことにしました。楽しんだ。
なんというか、このエイラシリーズの1作目は、原始人の主人公エイラの生い立ちから全てを捨てて旅立つまで(凄いネタバレだ)を描写したおかげでケーブ・ベアの一族のお話としてはちゃんと終わっているんですよね。異なる種族の言葉を操り、女性なのに狩りの腕は一人前、優秀な医学の知識まで備えたスーパーガールが完成したのですが、本格的に活躍するのは次回以降と完全に切り離されているおかげでエイラ・ビギンズみたいな印象を持ちます。物語の途中で挿入される過去編みたいな。各地で逞しく生きるエイラの出生の秘密がとうとう明らかに!とか言いたくなりましたがこれが1作目だっちゅーの。
そういえば、作中では何気にエイラがクロマニヨン人であるという記述がされなかったのが少し気になりました。あらすじとかには書いてあるのに本編に書いてないとかあれっとか思うじゃん。エイラが一族の中で異形の存在である理由はそれで説明が付くのに、別ルートから情報を仕入れたおかげでなんか納まりが悪いじゃん。冒頭に登場人物紹介とか載ってるからここかな?とか思って見るじゃん。凄いネタバレ書いてあるじゃん(しかもクロマニヨン人の記述は無し)。トラップだよ…こんなの…。
これから読む方にアドバイスを授けるなら、"冒頭の登場人物は見てはいけない"という事でしょう。登場人物が多くて誰が誰だか分からなくなってきても我慢するんだ。いいか、約束だぞ。
数々の苦難に遭いながらも、周りの支えに助けられながら割と自力でなんとかしてしまう逞しきエイラの姿は見ていて気持ちが良いものですね。作中の憎まれ役を一手に引き受けたブラウドですが、まあコンチクショウとか思う人物ですが、最後の決断の早さはそんなに悪くは無かったと思ったり。少なくともだらだら一緒に暮らすよりはお互い幸せでしょうし、長年の付き合いで和解することは難しいと分かっているなら決断は早い方が…なんて事も思ってたらあのスピードよ。むしろ感心しますわ。ブルン、素晴らしい族長であることは疑いがなかったけど、もっとわがままにブラウドをボコったほうがよかったかもしれない。ハムスター、食われたり守護霊に選ばれたりと微妙に存在を主張していて個人的に嬉しかった。ハムスターとか、好きだから。(どうでもいいね)
エイラシリーズの初版は1980年と古いですが、最終章が刊行されたのが2011年と新しくまだ翻訳版が出ていません。1年2年とそう遠くないうちに翻訳される可能性は大いにありますが…、確実なのは今のところ原書ですね。原書か!
少なくとも今の私には荷が重いですが、いつかチャレンジするのもアリかなと思ったりしました。