犬とハサミは使いよう (2日目)

犬とハサミは使いよう (ファミ通文庫)



( ゚Д゚)  は、発想の次元が違いすぎる…!!
読み終わった今、昨日の私にはおそらく全く予想のできないであろう想いに捕らわれていて若干混乱している今日の私でございます。どうもこんばんは。犬とハサミは使いよう、読み終わりでございます。なんというかいろいろとありえねぇという感じなんですが、一番ありえねぇという感じなのが面白かったと満足している自分がここにいることです。
先ず昨日の時点で若干おふざけ気味に紹介したミステリー要素のことなんですが、この本はミステリーなのかそうじゃないのかと聞かれれば間違いなくミステリーだと私は思っています。そしてその事件は恐ろしくシンプルであるにも関わらず、ありえないほど難易度が高かった…!
まさにライトノベル系ミステリーの真髄を体現したかのようなこの作品に私は畏怖の念を抱かずにはいられません。最近では電撃文庫の「はい、こちら探偵部です」という作品が同じような技法を用いて極一部(俺)で話題になりましたが、その正体は読者の思考能力を奪うことでトリックを解かせないという次元を超えた大技です。たとえあらすじに「ミステリー」と書かれていても、読み進めていくうちに「これはミステリーなのか?」と強制的に考えが誘導され、気が付いた時には既に事件は終わっているという悪魔的ともいえるトリック。昨日の私も見事それに引っかかっていますね。
さらにこの作品は凄まじいことに、事件の真相、犯人、動機、それ以上に何か必要な情報なんてあるかよというところまで明らかにされてなお私の理解の遥か上を行くという未体験ゾーンへと突入したのです。
後半の見せ場、突如始まったバトルシーンでの私のテンションはかなり異常なものでした。すべての要素はすでに既知のもの、武器にハサミなんて変わったものを使ったって、いきなり超人的な身のこなしを見せたって、ライトノベルの世界では特に珍しいものでもありません。そんな当たり前の要素ばかりを使って、どうしてこうまでわけのわからないシーンを作り出すことが出来るのか!?こんな使い方絶対思いつかねぇよ!と思わざるを得ない作者の発想にただただ驚嘆するばかりです。
そして何より驚くのが第12回えんため大賞の審査員が優秀賞に選んだという事です。私みたいなどうでもいい個人がこいつはおもしろいぜー!なんて言うのはともかく、ちゃんとした企業なんですよ!?エンターブレインの審査員は見る目がありすぎるんじゃないか!?
わ、わかんねぇ…!意外とこれ、大多数に受ける内容なのかな…!?選んだ審査員も面白いなぁ。