羽月莉音の帝国4

羽月莉音の帝国 4 (ガガガ文庫)


社長!作者が社長というせいか政治経済ネタが妙に豊富なライトノベルを書く社長じゃないですか!
夢はでっかく日本転覆。そんな目標を掲げる高校の部活動のお話の4冊目なのでございます。今年からシリーズが始まったと言うのにもう4冊目というマジ早い刊行ペースも、作品の面白さのせいで実にありがたい事となっております。
今さら思い返しても、お話のメインである革命が適当に超火力な兵器を手に入れさせたり超科学で何か改造を施したり世界を牛耳る悪の超組織を登場させたりと、とにかくライトノベルらしく出鱈目なファンタジーで突っ走る可能性も十分あったと思います。しかし始まってみると資金集めから始まって会社設立に企業買収と、やたらと現実よりのフィクションで突っ走ると言う真っ当すぎて逆に想像もしていなかった展開でとにかくこれが面白い! そして手段が現実よりの分、独立国家設立という無理というか阿呆なんじゃないかこの人たちと思わざるを得ない目標が、巻が進むごとに何故か着々と実現に近付いている気がすると言うクレイジーで非常に熱いお話にもなっております。
さて毎度毎度クレイジーな展開で激走してきた革命部の高校生達ですけど、今回も例にもれないクレイジーぶりでママも安心の出来となっておりました。おおクレイジー!今回ヤクザにガチで命を狙われたというのに疑問を一切持つ事がないその革命意識! そんな危険に遭ってまでこれ以上資金を集める必要なんてあるもんかとヘタレた感想を持った私は所詮凡人さ。それでも止めない常識外れな上昇志向を持つ高校生達の行く末が非常に楽しみでもあります。
そして今回の見どころはやはり春日恒太くんでしょうね。なんとなくダメキャラ路線を進んでいた彼が表舞台に立つという、彼の事が何かと気になっていた私にとっては待っていた瞬間が訪れましたからね。革命部の隠されていた兵器が遂に動き出したぜ!だがそんな私でもアイツを世間に問うには正直早過ぎるのではと思う超不安な展開でもある!さてそれがどうなるかは次の巻でという事で、まだまだ続きが楽しみなシリーズでございました。