SMALL STEPS (4日目)

Small Steps (Holes Series)



読み終る。
おやおや、ワタクシ1週間あれば洋書を1冊読めるようになってるじゃあーりませんか。実際のところ、これの内容は随分簡単ではありますけど。
しかしついに児童書を卒業する時がもしかしてひょっとしたら万が一にでも来ちゃったんじゃなかろうかと、内心では結構したり(ドヤァ…)顔になってたりします。まあ、最近TOEICの点数は下がったんだけどな!別に気にしてないからいいんだけどな!全然気にしてねーし!
そして洋書に時間をかければかけるほどこのブログが退屈なものになっていくという、唯でさえ他人の日記帳レベルのしょうもない存在なのに拍車をかけてどうすんだとこっちの方は若干気にしてます。少なくともライトノベルの新刊や話題になったり目に付いた一般書籍に手当たり次第に特攻していた頃の方がまだ存在価値はあったでしょう。確かにいろんなお話を読んでた頃の方が楽しかったと言えば楽しかったですが…、まあ仕方ないね、今はたぶんつまらない時期だ。そう易々と英語は読めるようにならないってことじゃぁ。(個人の感想です)
さて、ではそろそろこの「スモールステップス」のお話についてですが…、というかこれWebで感想を見ると「英語が簡単」みたいな評価ばっかじゃないですか、そんなに簡単簡単言わなくても洋書なんだから誰でも読めるほど易しいとは限らないんじゃ…と小声で主張したくなってくるチキンハートの私。簡単なのは同意するよ!
一応前作に当たる「穴 HOLES」から2年くらい後のお話で、主人公は前作に脇役で登場したアームピットくん。アームピット(Armpit)はあだ名なんですけど、日本語だとわきの下という意味。前作の脇役だけにわきの下ってか!HaHaHa!うん、全然面白くないね。取り敢えず彼も前作の前科持ち少年の矯正施設から出てきまして、立派に社会復帰して土木作業のバイトに学校にと精を出すようになってました。またお隣さんの障害持ちの女の子と仲良く庭先で喋って面倒を見たりと、あらやだ何この好青年と思うような成長も遂げていました。彼が学校の授業から教わった事は、前科持ちのあんたらの信用度は最悪なんだから現状をしっかり心に刻みなさい、欲張って大きく踏み出すとずっこけるんだから細かく一歩一歩刻んで行きなさい、という感じの事でした。小さく一歩一歩進む、スモールステップスってことですね。
そんな小さな一歩を積み重ねていた彼のもとに、かつての矯正施設仲間のエックスレイ(X-Ray)くんが、「いい儲け話があるんだ」となんだか胡散臭い雰囲気を纏ってやってきます。これは雲行きが怪しくなってきそうだけど、さてこの先何が待っているのでしょうか?みたいな感じのお話です。
実際波乱がこの先に待っているんですが、子供向けに配慮しなきゃ児童書なんて呼べませんから、それなりに大変でそれなりに酷い所まではいかない程度のスリリングな展開が広がって行きます。でもこのお話って、たまたま行くことになったコンサートで有名なロック歌手の女の子と恋仲になるっていうお前ちょっと夢が溢れすぎじゃないかと思うお話になるんで、個人的には児童に向けちゃいけないんじゃないかなと思ったりしてます。日本のライトノベルも大概にしろと思うシチュエーションが沢山ありますが、海の向こうも負けちゃいないな!
しかしそんな事は置いとくとして、もう一人の重要なキャラの障害持ちの女の子、ギニー(Ginny)ちゃんはこのお話の大切な存在だと思います。10歳の普通より小さな女の子という可愛らしさもありますが、それよりも17歳かそこらのアームピットくんと10歳の女の子が対等な存在として友達になっているという状況がおかしいやら微笑ましいやらでとってもステキなものだと思うのです。学校のテストやら女の子をデートに誘う事やらで困る度にアームピットくんはギニーちゃんと一緒に悩むんですね。なあ、俺はどうすればいい?みたいな事を本気で小さな女の子に相談するんです。自分は絡んできた人間をぶちのめして拘置所に送られそうになった(元)悪ガキなのに。生まれる時にちょっと頭の中で出血があったとかで言葉と体が少し不自由なギニーちゃんは、それに対して面白がりながら一生懸命アドバイスをくれたりします。お互いを信頼し合っているステキな友達関係なんですね。年の差を(それどころか性別も)超えた友達って良いわぁ…。日本人的な感覚では馴染みが薄いですが、人種の壁も越えてたりします。
スモールステップス、困難にぶつかってあれもこれもどうしたらいいか分からない時、小さく一歩ずつ進む大切さを教えてくれるちょっと道徳的な本でした。しかし超セレブなロック歌手がコンサート会場でぶっ倒れた人間を介護しに来て、それを切っ掛けに友達になったり恥ずかしがりながらラブレターくれたりキスしたりする事になるのは流石に現実を見ろよとこれを読んだ子供たちに言いたくなりますが…、いや違いますね。すみません、そんなの本当は思っちゃいませんでした。正直羨ましいよ!ああ、それが本音さ!