スメラギの国 (1日目)

スメラギの国 (文春文庫)


今月出ていたこちらの本。おやおや朱川湊人さんではございませんか。
この作者の持ち味と言えば「ホラー」、そして「昭和のノスタルジー」の雰囲気を持ったお話を良く書かれるところでしょうか。あらやだホラー小説だなんて怖ろしいものを好き好んで読む趣味なんてございませんわ、なんて普通私はそう思うところなのですが、この作者の書くお話に限っては事情はちょっと違ってきます。
確かに面白くて笑っちゃうようなお話なんかちっともない、おどろおどろしい雰囲気が漂うホラーを書かれてはいます。けれどそのお話は同時に優しさや切なさも感じさせるちょっとファンタジックな味わいも持っていて、単に人を怖がらせるばかりのお話ではないものであったりするのです。それが私はとても好きなんですよね。ちなみにもう一つ「昭和のノスタルジー」については、もちろん悪くは無いのですが、自分は幾つか既に読んだ作品でお腹いっぱいになっちゃったかなという気分に現在はなっています。だって昭和30年代とか生きたことも無い時代の懐かしさなんて感じても違和感あるし!
そんな私でもどうやら安心のこちらは、現代日本が舞台のお話のようです。それだけで買う理由には十分さ。
それとお話の主役は人間と猫さんのようでもありますね。ほうほう、主役に動物そしてファンタジックな味付けをされるとなると、これはちょっと興味が湧いてきますね。好きですよそういうの。猫は特別好きというわけでもないですけど。
頼みますね作者さん、猫好きじゃなくても楽しめる感じのお話を!