メイド・ロード・リロード (2日目)

メイド・ロード・リロード (メディアワークス文庫)


全く馴染みのなかったライトノベルと言う若者向けの分野に、もうオジサンの作者が自分なりの解釈で切り込むという試み!
この人がライトノベルを書こうとするとこうなるんだという面白い体験ができました。超四苦八苦しているのが手に取るように分かるというかそのまんま書かれているのでその姿を眺めてニヤニヤ。畑の違う人にライトノベルにチャレンジしてもらうっていう路線もアリですな…。

え?話の内容はどうだったって? うん、ようわからん。
いや作者の作品を読むと大体同じ感想に行き着くんだって!ライトノベルを書こうとしていたようだけれどいつも通りだったという事だけは言えます。読んでいますとなんか大きなことが分からなくても、たまにハッとさせられるような深い言葉が混じってたりなんかして、え?もしかして今までの話は何か一つのワードで繋がっている?とSF量子力学っぽく言うなら一点に収束するかのように思えたけれど肝心のお話の方はふらふらと何処かへ行ってしまった後だったりして開いたと思われたシュレディンガーの猫の入った箱の蓋は閉じられたままみたいな事があったりなかったりを繰り返す。おもしろ体験です。個人的に好きな理由の一つですが今回もバッチリ完備さ。
しかしライトノベル書くぞー!と作者が意気込みまくってたのは良いんですが、メディアワークス文庫って建前でもライトノベルじゃないと宣伝してませんでしたっけ? だから無理して書く必要別にないんじゃねーかと思ったりはした。無理して書いてライトノベルになったかどうかはようわからん。


でもツンデレを作者なりに解釈した結果生まれたであろうメイドの迷子さんを見て、素晴らしい理解力でございましたと思わざるを得ませんでした。最後のおかえりなさいませが特によろしいかと思われます。