メイド・ロード・リロード (1日目)

メイド・ロード・リロード (メディアワークス文庫)


先月にダーク・サイドというとんでもない一品に遭遇したせいでトラウマになりかけていたメディアワークス文庫作品ですが、ここでまさかのテンション回復の一冊が登場。右に専用カテゴリを作っちゃってる程度に好きな作家である北野勇作さんが、ひょっこりとメディアワークス文庫から新作を出してくれました。編集者やるじゃないの!SF作家なのにライトノベルみたいな毛色の違うところにはるばるいらしましたねぇとか思いましたが、少なくともここに一人喜んでいる人間がおります。
そうそう、そういえば作者名の北野勇作で検索すると、動画サイトにアップロードされているとあるTV番組の一部がヒットするんですよね。「年収150万円一家」と題した質素な生活ながら楽しく暮らしているある家族の節約生活が特集されています。そこのお父さんは職業がSF作家だという勇作さんという人なのですが、というか北野勇作さんだコレー!?と少々驚き桃の木そんな感じで作者の私生活の一面が垣間見えたりします。私の買ったこの本の印税が、少しばかりでも足しになってくれればとなんだか願いたくなります。


さて、肝心のこの本の内容なんですが、どうやら売れないSF作家が主役のお話のようです。ある日担当編集者から「ライトノベル書けますか?」と聞かれ、生活に困っていたSF作家は直ぐに承諾。担当者との打ち合わせになぜかメイド喫茶に向かう事になった―――  という感じのあらすじが書いてあって、もうツッコめと言わんばかりの既視感が漂っているんです。完全に作者自身の事だこれー!?(ああもう言ってやるさ!)
なんだとまさかのノンフィクション!?とか思いましたが、この作者が今まで書き続けてきた現実ドコそれの超混沌とした作品群を思い出してそれはないなと思い直しました。

あとどうでもいい事なんですがですが、いつもライトノベルを買っている書店のおばちゃん(もうおばあちゃんが近い)にこの本を出したとき、どういう本だと思われているのかなとちょっと想像しちゃいましてね。表紙が実写メイドさんの太もものアップ写真、中を捲るとカチューシャを付けた実写メイドさんの顔のアップの写真で、おそらく官能小説じゃないかなという結果をはじき出しました。なんか、もどかしかったです。