陽気なギャングの日常と襲撃 (1日目)

陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫)


伊坂だ!伊坂幸太郎だ!文庫版終末のフールから約二カ月で、また一つ新しく文庫化してくれました。ワーイワーイ。
さてこの『陽気なギャングの日常と襲撃』ですが、『陽気なギャングが地球を回す』の続編なんですよね。あれも確か文庫化した時に読んだから、だいたい三年くらい前になるんですよね。もうとっくに登場人物の名前なんか忘れてるんですよね。うふふふ、まあなんとかなるでしょ。(適当)
そんな感じで読み始めているこちらですが、前はたしか四人くらいで銀行強盗やってたんだよなとあらすじより乏しい記憶しか残っていないにもかかわらず、とてもイカした導入部分のおかげで全く問題がありませんでした。というか問題無さ過ぎでした。

その素晴らしすぎな第一章は、伊坂幸太郎日常の謎系ミステリという感じでございましょうか。日常の謎系ミステリ!ああなんということでしょう。あの、人が死ななけりゃ何が起こっても良いと無茶をやらかす日常ってなんだっけミステリじゃないですか。あなおそろしや。そんな偏見にまみれた私でも凄く面白かったと思える信頼の伊坂ブランド。お話自体も凄く面白いのですが、出てくる登場人物がさりげなく前作のキャラでした。さりげなさ過ぎて「アルバイトは強盗やってる」とか露骨な台詞が出て来るまで気が付きませんでした。あ、これアイツじゃないか!


( ゚д゚)  私だ


          お前だったのか  (゚д゚ )


前作の主役四人に合わせて四つのショートストーリーが繰り広げられます。その主役四人にはそれぞれ特技があるんですが、その特技を生かして謎を解決していくという人物紹介もしっかり兼ね備えていました。しかもこの第一章だけで短編一本が完成してしまっているじゃないかね伊坂さん。これは前作の内容をすっかり忘れていたどころか、読んでいなくても全く問題はないんじゃなかろうかという超親切設計。

これでまだメインの事件は始まって無いんだぜ…。キャラクターのおさらいも完璧だし、凄く楽しみですよ。