【古処誠二】アンフィニッシュト (2日目)

アンフィニッシュト (文春文庫)

自衛隊に小銃紛失となんだか物々しいテーマのこれですが、内容は結構のんびりした雰囲気です。
これは前作にあたるアンノウンから変わらなくてですね、殺人が起こらないミステリーなんてWikipediaに書かれてたりします。
ふざけたりすることは無く、淡々と進む静かな雰囲気は読んでてとても落ち着きますね。中で語られる国防問題も静かに耳を傾ける気になろうというものです。


日本の南の方に位置する離れ小島にやって来たせいもありますけどね。島の住人は皆家族のように親しげだ。
なんだか別世界過ぎて任務の危機感を忘れそうになりますが、やることはしっかりやる朝香と野上のお二人さんは流石です。宿場で酒を飲みながら情報を集めるという匙加減は見習いたいものです。磯でカニ捕まえるくらいやりたくなりますが、それは完全に遊びですからね。似たようなもんの気がするけどやっぱ違うよなー。難しいねー。


なんともアットホームな島民と地元の自衛隊員の中に小銃を持ち去った者がいるのか?閉鎖的なコミュニティー独特の監視された空間では困難を極める持ち去り事件、島の雰囲気に似合わない緻密な計画がされたのだろうか?
と、まあこんな感じで調査員の二人は苦戦中。はたして真実はどこに?



でも本書の一番最初に、銃を持ち去った人物の描写が実名入りで載っているのは目の錯覚でしょうか。
も、もどかしい!あいつらの捜査がもどかしい!