【森奈津子】姫百合たちの放課後

( ﾟДﾟ)　百・合！
控え目に戯れる二人の女学生が愛らしい表紙ですね。背景を飾り立てる草花や蝶が、何やら暗喩めいて感じられます。
可笑しくも甘酸っぱい全９編を収録する”百合コメディ”作品集とのこと。昨日知らずに読んだのがBL風味だったから、ギャップを生かして今日いったるぜ！
それにしても９つですか…、百合の世界なんてわたくし、経験があまりなくってよ。大丈夫かしら？(*´∀｀)

「姫百合たちの放課後」
音楽大学を目指してピアノの練習に励む先輩を、教室の窓からうっとりと眺める下級生の女の子。
お嬢様風味の彼女が抱く、憧れとも恋心ともつかない秘かな思いに思わずキャッ！
…ところで彼女たちの会話に出てくるエスとかネコとはなんですか？聞いたことはあるけど何だっけなぁ…、教えてGoogle先生！

――クリハラはエスとネコに関する知識を得た！
――その道に少し詳しくなった！

「姫百合日記」
姫百合たちの放課後の続編。前回築き上げた
静香　←　純子（主人公）　←　レイ　←　アマゾネス美夜子
という関係が織りなすドタバタ展開に拍車が掛ってます。前から分かってたけど純子の外道っぷりがス・テ・キ。あくまで「先輩に憧れてるけど思いを伝える勇気の無いか弱い女の子」を演じる彼女と、それに振り回されるレイは不憫ですけど可笑しくてたまりません。彼女たちの明日はどっちだ。

「放課後の生活指導」
同性に抱かれた想いに悩む女生徒と、相談にのる担任の先生。迷える生徒に異性愛の道を示したせいで、その生徒を想っていた女の子は振られてしまいました。
ははは、お譲ちゃんや、その経験もいつか君の大事な物になる時が来るのさ。…って包丁取り出した！？
( ﾟДﾟ)　コイツ…脅して先生を自分の側に引きずり込みやがった！

「花と指」
二十一世紀に入り、オナニーはスポーツだとの認識が人々の間に広まっていった。「自慰道」と名付けられたそれは、柔道と共にわが国で生まれた競技として世界中に広まり、愛好者を増やし、オリンピックの正式種目に加えられるまでになったのである。

いきなり何言ってんだこれー！というかこんなオリンピック放送出来ないよ！
これは自慰道に青春をかけた乙女達の物語である。

「2001年宇宙の足袋」
昨日地球は宇宙人に征服されました。世界を救うためには、あなたは同性である女性と性行為に及ぶしかありません。
ここまで開き直ってるとある意味爽快だね！

「お面の告白」
芸能人のゴーストライターの仕事をこなす、フリーライター北島由紀。また女優のエッセイの引き受けた彼女であったが、編集部から送られてきたインタビューのテープにはミスで音声が記録されていなかった。他の資料は無いと言われた彼女は、女優のエッセイを全てでっちあげる道を選んだ！
( ﾟДﾟ)　そこで何故レズビアン告白をでっちあげる！？スキャンダルにも程があるぞ！

「一九九一年の生体実験」
不良少女「この学校の番長を呼んできな！」
　　　　　　　↓
生徒会長「…（あら、この子可愛いじゃない）」
　　　　　　　↓
　　　　　　アァンッ！
　　　　　　　↓
　　　世界は平和になった

「お姉さまは飛行機恐怖症」
姉「わたくし、実は飛行機が（略
　　　　　　　↓
　　　　　　アァンッ！
もう、それがしたいだけだろ！
口に布を詰めるは基本、覚えました。

「ひとりあそびの青春」
人間には二種類ある。
オナニーを自ら発見できた者と、オナニーを自力では発見できなかった物だ。
ひとりあそびに対する深い理解、それに冷静な自己分析。
これはかなりの熟練者とお見受けいたしました。
文学的なほどに高められた自慰に対する思い、山田の行為はオナニーに非ずと断ずる判断力、ただただ敬服するばかりでございます。
私はいったい何を言ってるんだ。

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( ﾟДﾟ)　百合って何さ！？
最初の二つ以外はモロだよモロ！作者もあとがきで「お気に召しましたら、オカズとしてお使いいただければ幸いです。」じゃないよ！推奨かよ！
編集者のS崎さんに見事やられた私でした。