【橋本紡】流れ星が消えないうちに (2日目)

流れ星が消えないうちに (新潮文庫)
突然の事故で死んでしまった加地、加地と恋人だった奈緒子、加地と親友だった巧、残された二人にはとても深い悲しみが襲います。
そのため新しく恋人の関係になったはずの奈緒子と巧は、故人との幸せな思い出に囚われ、一年半の月日が経った今でも新たな一歩を踏み出し切ることができません。彼女たちが再び前に進めるようになるために、我々は何をすればいいのでしょうか。
いいえ、何もする必要はありません。我々は彼女たちの話をただ聞いてあげればいいのです。
心の奥に膿のように溜まった感情を、全て曝け出してしまうことです。そうすれば彼女は自然と答えを見つけ、再び前に進むことができるでしょう。
我々はそれを信じてあげればいいのです。



そんなカウンセラー気分で読んだお話。全ての思いを吐き出し切った彼女たちは、新たな決意を胸に進むことを選択できたようです。悲しくて切ないながら、人の強さと幸せのありかたを見せてくれる物語でした。

そして吐き出された膿の毒気にやられた男の亡骸が一つ…。
彼女たちはほっといても勝手に立ち直った気がします。私が見守っている必要は無かったのかもしれません。物語に必要とされない疎外感がありました。
じゃあ、物語を観客として楽しめばいい?
…ごめんよ、男共の友情とか行動が見ててとても痛かったんだ…。
文化祭準備の際の行動が中途半端、ヨクナイ。
私怨を晴らす為にサッカーやった、ヨクナイ。
基本的に会話が繊細すぎる、ハズイ。