ワールドエンドエコノミカ エピソード2 & エピソード3

WORLD END ECONOMiCA Episode.3[同人PCソフト]


2015-11-29の日記のコメントより。
>最近「ワールドエンドエコノミカ」というノベルゲームをやってみまして、あまりの面白さに連日没頭して読み進めました。シナリオは狼と香辛料の著者である支倉さんが担当しており、内容は月面都市にある金融市場で生き抜こうとする少年のサクセスストーリーですかね。バーチャル取引で優勝するために少年の助っ人としてツンデレ天才少女、職業?”クオンツ”(市場に強い数学ヲタク)みたいな子が付いてくれたり、企業の不正を暴くためにお姫様?と組んだり・・・。文庫版は電撃文庫から3巻分出ています。ゲームのほうと値段はあまり変わらないので、その辺は割と適当で良い気がします。では、、、、


エピソード1に続き、エピソード2と3もまとめて読み終わりました。
本日は引き続き同人PCゲーム「ワールドエンドエコノミカ」よりお送りいたします。おすすめありがとうなのです。
このゲームの紹介を見るとメインシナリオを書いた支倉凍砂さんがやっぱり目につきますが、ゲーム中はイベントCGも沢山あるし主題歌も入ってるしでいろんな人の手間がかかっているのが分かる豪華な作りです。わざわざ同人ショップに行かなくとも入手は簡単(さすがに流通在庫の絶対数は少ないかも)で、実にいい時代になったものです。
さてとりあえず前回、エピソード1の衝撃的な結末から続きが気になりますので、はやる気持ちを抑えつつプレイ再開をします。お話はエピソード1の4年後、新たな生活を始めた主人公のハルくんたちの生活を描くところから始まります。え、4年後!?




ヒロイン交代!ヒロイン交代来ました!
主演女優だったハガナさんを押しのけ、エピソード1でちょい役だったおさげメガネことクリスさんがメインヒロインへと昇格されました。実際のところ表舞台に参戦した瞬間から「どうみても将来負け確定ヒロインです…」的な雰囲気がまとわりつくクリスさんですが、4年後のエピソード2では彼女が舞台の主役を張るのです。マジ良い娘なんですけど悪い男(主人公)に引っかかっちゃったのが運の尽きだったんすよ…
しかしお話はいきなり4年後に飛んで驚いたなぁあれからどうなったのかなぁと気になる肝心な箇所はダイジェスト風味でさらりと触れられ、細々と暮らしている顔見知りのメンバーたちのその後が語られていきました。正直一気に時間を飛ばさずに、エピソード1の直後の様子から見たかった気持ちもあります。まぁ仕方ないね。
基本的にこのお話は株取引であーだこーだお金を稼ぐ物語で、舞台は月面で全ては架空の世界での出来事ですが、証券の取引や株による損益の出し方などは現実世界でのルールと同じように進んでいきます。株や為替の世界はよく知りませんので作中で語られる内容は実のところよくわかっていませんが、登場人物からの丁寧な説明とお話の盛り上げ方のおかげで分かった気分になれて問題なくお話を楽しむことが出来ました。よくわからないけど登場人物たちがなんか深刻そうなお話をしてる!これってヤバいんじゃない?ヤバいんじゃない?ってハラハラしながら、主人公がキュピーンってSEとともになんか閃くと、よくわからんが反撃の合図来た!これは行けるんじゃない?じゃない!?って楽しめます。専門用語が分からなくても楽しめるお話ってのは良いお話です。行方不明の前ヒロイン ハガナさんは名前こそ登場すれどなかなか姿を現さず、相棒の数学者ポジションはあたしの場所よと主張するようにクリスさんがおさまりました。




一方負けのショックで株取引から距離を置いていたハルくんが新たな相棒とメンバーを携えて再びお金稼ぎを始めます。その新チームを発足したお金持ちのスポンサーが、金髪美女のエレノアさんだとか都合の良い展開万々歳ですね。なにこれギャルゲー?このゲームに選択肢がないことが悔やまれます。フラグ立てもフラグ解消もフルオートで進んでいきますのでどう頑張っても個別ルートには進みません。とても残念です。ただ女性陣の性格が清楚系でちょろそうなのばかりなのは、書き手の趣味がよく出ていて大変よろしいかと思います。とても優しい世界だと思います。
それぞれ得意分野を持った5人の少数精鋭部隊で再度大きな壁に立ち向かう姿に胸が熱くなるエピソード2。しっかりとラスボスもキャラ立てして山あり谷ありのお話でしたが、そこで終わりなの!?ってところでエピソード3へ続くとなります。これ、エピソード毎の発表日って1年おきぐらいなんですよね…。毎回毎回きっつい幕引きばかりで、完結後にプレイ出来て心底ほっとしますわこれ…。ハガナさん名前はいっぱい出てきたけど結局出てこなかったし!というわけで続けてエピソード3へレッツゴー。舞台はまた4年後へと飛びます。
え、4年後!?エピソード2のラスボス倒してないじゃん!?
なんと大事なところはすっ飛ばして、全ての決着がついてしばらく後からスタートのエピソード3。正直あの決着をダイジェストで済ますとか無茶しすぎだろう…と気持ちに大ダメージを負いましたがなんとか耐えました。



[
エピソード2では全く出てこず、エピソード3でも後半になってようやく姿を現す超じらし系ヒロイン ハガナさんが戦線に復帰しました。ここまでのヒロイン候補のクリスさんとエレノアさんはご丁寧にも振られた宣言が出されていますから、完全にハガナさんの独壇場です。作中では喧嘩別れしてから8年もかけてていろいろ気まずい再会となりましたが、びっくりするくらいの速度でハガナさんのツンツンな態度が女の子堕ちするので問題ありませんでした。マジ早かった。そんで物凄い甘かった。死ぬかと思った。
というかこのカップルのせいで月面経済が死にそうになってて笑いました。イチャイチャラブラブの舞台装置にされてたまったもんじゃないな月面の住人たちは!お話は順当にインフレしていきまして、10万100万とやっていたエピソード1と比べて現在では100億1000億の世界へと突入していっています。思えば遠くへきたもんだ。物語の盛り上がりも最高潮へ!と面白さも加速ってなもんです。ちょっとだけいうなら、ハルくんが月面の英雄として月のために奔走する姿にイマイチ乗り切れなかったですかね。だってわたくし小市民ですもの。経済が破綻した時の失う財産が、ハルくんと比べて桁違いに少ないですもん。そりゃ破綻したら私だって大変な目に遭いますけど、やっぱりハルくんは大金持ちなわけで金持ち同士勝手にやってくれって気がしなくもなかったです。税金の話とか綺麗ごと過ぎて笑いも渋い笑いへと変貌です。そういうことなら喜んで払うぜ!って税金を歓迎する小市民って存在しないだろ…。たぶん私でも払うけど。しかしハルくん主人公側には勝利のBGMが流れて素晴らしい未来へと驀進する、超力技の盛り上げ方で細かけぇことはいいんだよ!とばかりに面白くしてくれるので問題なし!お話としての面白さは十分に楽しむことが出来ました。
ただ作者さん、最後のセリフにワールドエンドエコノミカはちょっとキメ過ぎぃ!狙いすぎて悶えるぅ!でもそんなところも同人ゲームの良い所だ!