ワールドエンドエコノミカ エピソード1

WORLD END ECONOMiCA Episode.3[同人PCソフト]


2015-11-29の日記のコメントより。
>最近「ワールドエンドエコノミカ」というノベルゲームをやってみまして、あまりの面白さに連日没頭して読み進めました。シナリオは狼と香辛料の著者である支倉さんが担当しており、内容は月面都市にある金融市場で生き抜こうとする少年のサクセスストーリーですかね。バーチャル取引で優勝するために少年の助っ人としてツンデレ天才少女、職業?”クオンツ”(市場に強い数学ヲタク)みたいな子が付いてくれたり、企業の不正を暴くためにお姫様?と組んだり・・・。文庫版は電撃文庫から3巻分出ています。ゲームのほうと値段はあまり変わらないので、その辺は割と適当で良い気がします。では、、、、



おすすめありがとうございます。昨年の12月に教えて頂いた「ワールドエンドエコノミカ」をようやくプレイ開始いたしました。だってね…おすすめ貰った時は在庫切れで買えなかったんですもの…仕方ないよね。文庫版は初めから選ぶつもりはナッシング。
こちらのゲームは同人PCのノベルゲームとなりまして、若干商業作品とは違う雰囲気の商品でございます。しかし入手はAmazonでも可能ですし、手に届いたパッケージはしっかりした作りにもなっていますしで、あまり同人ゲームに詳しくない私としては「え、個人で作ってもこんな綺麗なものが普通に出てくるの!?」と驚くばかりです。普通じゃないかもしれんが、他を知らないのでよくわからん。とにかくプレイを開始しましょう。



ワールドエンドエコノミカのお話は全部で3つのエピソードに分かれていまして、現在ではありがたいことに完結(たぶん)までのエピソード3までが製作完了となっていました。エピソード3のものを買うと、もれなく全部がセットになっていて便利ですよ。ちなみに私は今のところエピソード1までしか終わっていませんので本当にエピソード3で終わるかは知りません。でもHPに完結って書いてあったもん。
このゲームはノベルゲームとなっていますが、選択肢とかはないのでゲーム要素はありません。ビジュアルノベルよろしくグラフィックと音楽を添えてお話を楽しみましょう。登場人物に音声は付いてませんでしたね。



さて、こちらエピソード1のお話は主人公のハルくんが、株で大金を稼ぐことを夢に駆け出し始める所からを描いております。特にハルくんが株に目覚めたエピソードとかはなくて、基礎はとっくに身に付けてそこそこ稼ぎ始めている状態からのスタートです。作者の支倉凍砂さんは狼と香辛料でも似たような境遇の主人公を描いていましたので、出だしのノリはこれが作者さんの普段通りなのかなという感じでした。主人公のハルくんは素直になれない性格設定で、一人で生きていく逞しさはあれど危なっかしさもあります。よく言えば年相応の子供っぽさを持っていますし、悪く言えばクソガキです。序盤はけっこう展開がのんびりしていた印象です。毎回読者の心を掴んでいかなきゃいけない連載形式とは違って、そこまで焦る必要のないノベルゲームという形式ならではのちょっと中だるみあり。



そんなハルくんが金稼ぎのために宿無し生活を送っていた先でたどり着いたのが、おせっかいなお姉さんがいる教会だったって寸法よ。ついでにツリ目で口数が少ない、ついでに言動がキツめの女の子も同居しているときたもんだ。こいつはたまりませんな!出会う重要人物に女性が多いのも、作者さんがライトノベル出身ならではのツボを押さえた演出といったところでしょう。都合の良い展開バンザイ!
あとは舞台が教会ですからそんなにお金には余裕がないって展開になりまして、借金の返済がどうにもならない…ってときに満を持して登場するのが主人公のハルくんがやっている株取引っていうわけです。この出来すぎたドラマのような筋書き!それだけ聞くと不安な感じがしますが、それでも面白くどんどん読んでいってしまうのは物語運びの上手さにあるのでしょう。盛り上げる所は盛り上げて、落とすところはしっかり落とす。旨い話ばかりじゃないから見ていて面白いのですしね。
だからこそエピソード1の終わり方は卑怯だよあれ!思わず笑っちゃったけど、これでエピソード2がすぐプレイできる状況じゃなかったら悶え死んでたかもしれないよ!同人ゲームは自由に製作ができるのか、禁じ手みたいな技を使っても止める人間がいないんだなきっと。でもそんなところも同人ゲームの良いところ。ええい、話はとにかく続きをプレイしてからだ。