リトル・チャロ 〜東北編〜

NHKテレビ ストーリー・ブック リトル・チャロ~東北編~―Magical Journey Little Charo in Tohoku (語学シリーズ)


NHKで2012年の4月頃から放送されていたテレビアニメ「リトル・チャロ」シリーズの3作目。
もともとリトルチャロはNHK放映の英語学習用アニメでしたが、この3作目では東北復興支援を目的とした初めての日本語のお話となっています。えー、今回はチャロと一緒に英語のお勉強できないの?と早合点した方がいても大丈夫。後にテレビアニメでも英語版が放映されまして、既存ファンのニーズもばっちり抑えてくれています。そして今回手元にある本は、英語のテレビアニメ版の内容を元に作成された毎度おなじみのストーリーブックでございます。
リトルチャロ1や2ではラジオストーリブックとそのCDが3冊ずつ出ていたのですが、今回はラジオ放送がなかったせいかリスニングCDはないようです。音声が欲しい方は素直にDVDを買いましょう。ただ毎度思うんですが、リトルチャロ関連の書籍って種類がいっぱいあって非常に分かりにくいです。ストーリーブックも同じ話なのにTVアニメ版とラジオ版がありますし。ちなみにラジオ版の方が英語描写が多い(たぶん)との理由で、私はいつもラジオ版を選んでいます。だけどもチャロの可愛い姿が見れるDVDも捨てがたいんだよなぁ…。ただし今回のストーリーブックはテレビ版だけみたいだから注意ね。
さて今回のお話は100年前の東北地方にチャロが迷い込むところから始まります。一番最初はニューヨークで迷子になっただけでしたが、2作目では生と死の狭間の異空間へ旅立つという超展開を見せてくれたリトルチャロ。もはや次元を超えることくらいじゃ驚かなくなりましたが、東北じゃもう英語関係ないだろ!という旧作からのファンのツッコミも「いや、これもともと日本語の作品ですし」というチャロシリーズのコンセプトを最初に否定してから英語版を作るという荒業で見事に回避しております。やりたい放題です。
お話冒頭で桜の咲く季節に飼い主の翔太くんと散歩をしている場面を見ると、おそらくチャロが無事日本に帰ってきた(1作目)直後に翔太くんが頭を打って死にかけて復活した(2作目)直後から続いていると思われます。同じ桜が散らぬ内に2度も異世界へ旅発つなんて、実に落ち着きがない犬っころなんでしょうか。
迷い込んだ先では何やら険しい顔をして魔封波の最中の僧侶がいます。ですがチャロが運悪く訪れたせいで儀式が失敗し、封印しようとしていた魔物の片割れが逃げてしまいました。そいつを再び封じ込めるために各地に散らばってしまった8つの札を集める為、東北地方のあちらこちらを探し回ることになるのです。道中は人あり妖怪あり幽霊ありのハートフルなお話が満載です。ただ馬に恋をして夫婦になった娘の話だけは素直に読めなかった僕は心が穢れているのでしょうか。だって馬が好き(性的な意味で)ってこう、実際に想像するとねぇ…、う、うん、なんだか興奮してきたよ!
1作目や2作目と比べて今回はだいぶお話のボリュームが少なくなっており、ある意味より手軽に読めるようになっています。ページの左側に英文が載っており、右側には日本語文が載っているという対訳仕様でストーリーを追いかける苦労もほとんどありません。ただ注意することは英文の訳が日本語文というわけじゃなくて結構自由に意訳されていますから、英単語の使い方がよく分からなくてもやもやすることはあると思います。あと映像ありきのお話のせいか、英文だけでは場面がわからなくて意味が分かり辛かったところもちらほら。使われている英単語は難しくありませんが、作中の会話文をしっかり理解するのは結構難しかったです。
英語のお勉強用としてはちょっと1作目より劣る2作目より劣りますが、大事なのは興味を持ったものが一番ということです。チャロ可愛いよ可愛いよチャロだけで突っ走れてる私みたいなのもいますから、気になるのでしたら読んで見るのも全然OKでしょう。
流石にリトルチャロシリーズもそろそろ終わりでしょうか。取り敢えずチャロは現世に戻ってこいと私は言いたい。なんでチャロの続編は超展開になってしまうん?でもリトルチャロ4が出るなら出るで嬉しいので、心の片隅で期待して待っていることにします。その頃までにはもっともっと英語の本が読めるようになってるといいなぁと思いながら。