【上橋菜穂子】「守り人」のすべて 守り人シリーズ完全ガイド

「守り人」のすべて 守り人シリーズ完全ガイド


こちらの本は正確には小説ではなくて、ファンブック的な守り人シリーズの紹介本となっています。
精霊の守り人から始まった全てのシリーズの簡単な内容の紹介と、登場した国や物事をまとめた用語集、作者の上橋菜穂子さんのインタビュー等が載っていて、今までの作品の歩みがこの一冊に詰まっています。ちなみにこの本より後に刊行された「炎路を行く者」は当然と言えば当然ですが載っていませんので、クックック…もう完全とは言えないなぁ編集者さんよ?と言ってみたくなりますがまぁ大した話じゃありません。
では何でわざわざこのガイド本を買ったかと言いますと、こちらの本に「春の光」という本編後のバルサさんとタンダさんの完全に夫婦だこれ的な短編が入っているからでございます。
外伝はいくつかありますがそのどれもが過去の出来事を扱っているのでございまして、天と地の守り人後にバルサさんがどのような暮らしをしているか言及されているのがこれだけなんですよね。時系列的にも一番新しいお話です。
お話としては本当にささやかでページ数も10ページに満たない程度なんですが、用心棒稼業を続けるにしても将来は真っ暗だよバルサさんと不安だった気持ちを払拭するのに十分な事は書かれていました。バルサさんの傍にタンダさんがいるんじゃない、タンダさんの傍にあのフラフラ直ぐに旅に出かけてしまっていたバルサさんがいる、そう思えるのんびりとした他愛もないやり取りが交わされます。これからもそりゃぁ旅にも出かけるだろうし、用心棒稼業もまだ続けるでしょうけど、今までとは違ってきっと帰ってくるという安心感がありますね。読者としても安心して本を閉じることが出来るというものです。
さて、ひとまずこれで守り人シリーズの目ぼしいお話はすべて読んでしまったことになりましたね。精霊の守り人シリーズ(本編)に引き続き、これにて守り人シリーズ(外伝)も終了です。終わっちゃったぁ。
♪(≧∀≦)ノ