【斉藤洋】ルドルフとイッパイアッテナ

ルドルフとイッパイアッテナ


好きな本ぼしゅう 3月のコメントより、Nさんのいっぱい紹介その2です。
ルドルフとイッパイアッテナ…、むぅ…その名前、遠い昔に聞いたことがある…。そんな感じで幼少の頃の記憶を呼び起こす、なんだか懐かしいようなそうじゃないような本ですね。それもそのはず、児童文学作品として有名なこの本はきっと私の通っていた学校の図書室、または駅前の図書館にきっとあっただろうけども、まともに読むのはこれが初めてでございますから。記憶の彼方にあるのは、その昔NHKでやっていた紙芝居風の短いアニメの情景です。あれ、短く区切られてて何回も見なきゃならないのに、特にやっていた時間も覚えなくて適当にチャンネルを変えたとき映っていたら見る程度にしか注意していませんでした。完全に偶然でしたので、こりゃぁー結末がどうなるか分からないまま終わるなー(原作があることも知らなかった)と、当時思ったことを覚えています。調べてみると初めて放送されたのは1991年だそうで、再放送に頼らなくてもこの時に見ていた可能性はありますね。実に22年(!)を飛び越えてこのお話の結末を知ることが出来る機会に恵まれました。これも一つの縁ね。
そんな感じで小学校中級向けの児童書「ルドルフとイッパイアッテナ」よりお送りします。
クロネコヤマトのキャラクターみたいなNHKのアニメだと、ルドルフとイッパイアッテナのどっちが主人公でなんでいっしょに野良猫生活をしているのか分からなかったのですが、ルドルフが主人公で迷子の飼い猫だったのねと長年の謎が一つ解けました。イッパイアッテナの名前の由来は22年の間に、どこかで聞いて知っていました。そんな知ったり知らなかったりの道中です。
岐阜生まれのルドルフはトラックに紛れて東京まで来てしまい、そこで知り合ったイッパイアッテナの協力を貰って家に帰る方法を模索するお話だったんでございます。
物知りなイッパイアッテナは人の言葉が分かるし字も読めます。豊富な知識と鋭い洞察力で人間社会のルールを本当に良く理解されているのですが、マジな話私より頭良いんじゃないかとビビるくらい頼りがいのある兄貴猫でした。いやー、自分だったら岐阜に帰れないねきっと!終電間際でミスれないからって、携帯とWEBを駆使して万全の態勢を整えて逆方向の電車に乗った(帰れなくなったので途中下車してマンガ喫茶で寝た)私にはインポッシブルなミッションです。
友情にお勉強の大切さにといろいろ教えてくれるこの本は、お子さんが読んでくれたらお母さんも安心の一冊でしょうね。でも子供の頃には感想文を書かされたり、無理やり時間を作らされて仕方なく読んだりと、素直に読むには邪魔な要素もたくさんあります。だから私は子供の頃に読んでおけばよかったなんてこれっぽっちも思っちゃぁいません。私が読んで面白かったなら、子供に読ませるんじゃなくて同年代の人間に勧めるのが筋ってものでしょうか。私の正直な気持ちですが、なんだか変な感じですね!