王様は島にひとり

王様は島にひとり


私のNO.1お気に入り作家(以下略
えー、毎度毎度同じ事を繰り返すのもアレなんで適当に省略しつつ、久々の池上永一氏に気分はルンルンな私でございます。最後に新作が出たのはもう一昨年の8月の事になるのですね。その後はシャングリラがアニメ化されるも出来栄えに涙目になったり、最近は文春文庫で出ていた過去作品がなんだか角川文庫で再版されて思わず買いそうになったり…。表紙がとってもス・テ・キなの。しかしこれを買ってしまうと、新装版が出る度に買い直ししてしまう第一歩になりそうな自分がいます。内容一緒なのに…でも面白い本は何度読んでも面白いから別に…、いや自分はお話に惚れ込んだわけでコレクターじゃないんだから一冊あれば十分…、待てよ買うと印税という形で作者の懐に入るから無駄というわけではない…?(なんかピュアじゃねー)
まあとにかく氏の新作をいつまでも心待ちにしている私に、つかの間の清涼剤が登場。「やどかりとペットボトル」に続くエッセイ集第二弾です。第一弾は氏の作品の自由奔放さの原点を連想させる、あまりに混沌とした少年時代のエピソードを前に、エッセイなのか氏の存在自体がフィクションなのか真剣に悩んだのもいい思い出です。今作はそういった自伝的エピソードは抑え、よりエッセイっぽく身近で見聞きしたことについてあれこれ書いているのですが
( ゚Д゚)  ママー!やっぱりこの人おかしいよ!
私の常識からは到底到達出来ない驚愕の発想はやはり健在。もちろん全体に渡って笑いにも満ち溢れているからママも安心さ。結構毒を吐く一面や石田衣良さんを心の兄貴と呼ぶなど、作者の人柄についてより深く触れる事の出来る本でございました。同時に作者の得体の知れなさについても拍車が掛りましたけど!
自らの作品で沖縄への幻想を見せておきながら、このエッセイで颯爽とそれをぶち壊していく作者が素敵過ぎます。あー今年はこれで終わりじゃなくて、もう一冊くらい本出てくれないかなー。