6 -ゼクス-

6―ゼクス (電撃文庫)


今月は年に一度の電撃小説大賞受賞作品の発売月となっていまして、電撃HPでは大賞やその他受賞作が華々しく宣伝されていました。他には人気作品の続巻が並んでいまして、従来からのファンが楽しみにできるラインナップが続いています。
そしてその中にたった一つだけぽつんと潜んでいる新規作品があるんです。
はっきり言って目立っていなくて、これは誰が見つけ出して買うんだよと正直思ってしまいました。
そんな目立ってない作品をわざわざ見つけて買っちゃう僕みたいな変態もいますが、本屋で実際に現物を見たとき、まさか目立ってないことを逆手に取っているとは思ってもいませんでした。

( ゚Д゚)  き、金賞受賞作の帯が付いてるー!!?
い、いやよく見ろ! 第12回<金賞>受賞作家最新刊だ!受賞作品じゃないぞ! これが第18回電撃小説大賞作品にしれっと紛れ込んでいるのです。というかパッと見だと最新の第18回<金賞>受賞作がこれだと勘違いしそうですな! 目立っていないことを出版社側もわかっていて、このような宣伝方法を取ったのでしょう。目立たないことを利用して話題作に偽装し販売する…これが今流行のステルスマーケティングというやつか…!(違います)
ちなみにこの宣伝文句は一応嘘は吐いていなくて、この作者さんは2006年に「哀しみキメラ」という電撃小説大賞金賞作品を刊行しております。だからなんだよ!という感じではありますが。
えーと、肝心のお話の方ですが、主人公くんの友人が目の前で焼死したせいで主人公くんが警察にしょっ引かれます。んでその事件はマッドサイエンティストに昔薬物実験された6人の被害者が関係しているらしいと分かります。その6人は実は超能力に目覚めた新人類で超能力で焼き殺したのだー! という感じです。
…ありえねぇ…、イマドキ世界を転覆しようとする孤高のマッドサイエンティストなんてありえねぇよ母さん…。
マッドサイエンティストも、それを追う警察も、なんか見ててとってもハラハラするんです。どっちも個人プレイしすぎで組織性皆無じゃねぇか…。特に警察はダメだろそれじゃ…、重要参考人にめっちゃ事件をかき回されてる警察って全然頼りないじゃないか…。世界はテキトーに回っているようです。
しかも話の方が全然伏線投げっぱなしじゃないかコノヤロー!途中で嫌な予感がしたよコノヤロー!
これでも一応俺は哀しみキメラは嫌いじゃなかったんだぜ。だから少し切ないぜ俺。