【中村弦】天使の歩廊 ある建築家をめぐる物語 (1日目)

天使の歩廊―ある建築家をめぐる物語 (新潮文庫)


はて、なんでしょうこれ。
個人的に好きな文学賞日本ファンタジーノベル大賞」の大賞を受賞した作品ということで手に取ってみましたが、見た目やあらすじからはこれが面白いのかつまらないのかさっぱり想像できませんでした。
「ある建築家をめぐる物語」と言っているのですから、お家を建てたりするお話なのでしょうたぶん。まあ読めばわかる。
取り敢えずページを捲ってみますとそこにあったのは明治の日本。街並みの近代化が急速に進む近頃だけども、ご老人の思い出話に耳を傾けてみれば徳川幕府なんて名前が出てくるような時代の境目。そこで一人の赤ん坊が質素な洗濯屋の主人の下に生まれました。どうやら彼がこのお話の主役らしい。
すぐさま彼は大きくなり、建築家として次のお話で一軒のお屋敷を設計しました。奇妙な出来栄えに周囲の人間は訝しげでしたが、依頼した偏屈な婦人はすばらしい出来だと大層喜びました。
次のお話では彼は少年でした。学校の授業で自分の好きな建物の絵を描いて、素晴らしい出来だと展覧会でその絵を展示してもらっていました。ただその建物を良く知る偉い人が絵を見たところ、誰にも秘密だったはずの隠し通路らしきものが描かれているのを見つけてしまい、秘密がバレたもっと偉い人に怒られると一人てんやわんやしていました。
そして次のお話では彼は一切出て来なくて、昔設計した建物でそこの主人が失踪してしまったという事件だけが起こっていました。警察が方々手を尽くして捜査しましたが、やがてうやむやになってそのまま終わってしまいました。
お話はまだまだ途中ですが、はて、なんでしょうねこれ。