【中村弦】天使の歩廊 ある建築家をめぐる物語 (2日目)

天使の歩廊―ある建築家をめぐる物語 (新潮文庫)


この本の副題は「ある建築家をめぐる物語」となっていますが、なるほどまったくその通りのお話が続いています。
その建築家とは冒頭で赤ん坊で登場した笠井泉二という人物で確定ですが、彼が語り手としてお話を進めた事は今のところまだです。普通に喋ったり登場したりしますけど、いつもお話について語るのは友人の矢向丈明ばかりです。実は主人公はお前だったのか。彼の目から見た笠井という人物について綴られているお話です。
小分けにされている章毎に年代は決まっておらず、一端に仕事をしているかと思えば少年時代へと場面が変わり、かと思えば大学の建築学科で勉学に励む姿が見れたりします。
どの時代もまあ決まっている事と言えば、笠井という人物の非凡な才能がちらりと顔を覗かせる事でしょうかね。あくまでちらり。ここ大事。
なんだか凄そうな建物を建ててみてもちょっとの人間にしかその価値を感じられなかったり、なんだか凄そうな図面を描いて見せても常識外れ過ぎて大学で落第くらいそうになったりと、言うなればイマイチぱっとしない活躍の仕方ばかりが続いています。
何か意味があるんでしょうかね。笠井さんが奇妙な建物を建てる理由とか。うん、ようわからん。
取り敢えず続きを見てみましょうか。そんな感じでのんびりと読んでます。