ほたるの群れ5 第十四話「会長、カフェオレを飲む」

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ほたるの群れ5 第十四話「会長、カフェオレを飲む」 | studio ET CETERA


さあさあ盛り上がってきましたほたるの群れ5。その道の怖い人たちの話に頼って自殺しようとしているクラスメイトの母親を止めるため、主人公の永児くんたちは犯行が行われる予定の駅まで辿り着くことが出来ました。しかし夏休みの花火大会の季節のため、夜の駅は見物客で満員です。身動きもお母さんを見つけることも難しい状況で、予定の時間だけは順調に近づく一方だ。ここからは密度を一気に濃くして、作中の短い時間にページがガンガン消費されることになりますぞ。でもそれは来週からだ!みたいな感じの今週のお話。
ほたるの群れ5 第十四話「会長、カフェオレを飲む」のお時間です。まだ今週のページ数はいつも通りだったヨ。
前回から秒単位でしか話が進んでいないため、緊迫感そのままに謎のすましメガネの正体に迫ることになります。私は正体が気になって気になってこの一週間ぐっすり眠るハメになったのですが、喜多見さんが電話を掛けた謎の人物の正体は会長こと千原行人くんでした。まだ怪我も治りきってないだろうに…と思った通り、腕を三角巾で固定した痛々しい姿での登場。カフェでオシャレに休養中にも関わらず、喜多見さんのお願いに気の無い返事をしながらも颯爽とバイクを調達して永児くんのもとへと向かっていきました。作中でも手際の良さが鮮やかに描写され、とても格好良く描かれています。一週間気持ちよく寝ていた私ですが、あのすましメガネ野郎のせいでなんという不快な目覚めになったのでしょうか。なんでや!なんでアイツにはイケメン描写がいつもてんこ盛りなんや!うわーん!
ただ千原くんが喜多見さんの番号を「ヅカさんの難破船」で登録していたのには流石に背筋が凍りました。永児くんが喜多見さんに宛てたラブレターで使っていた"愛の難破船"から採用したものと思われますが、この子なんて恐ろしいものを…、うっかり永児くんが携帯を盗み見ようものなら即死するじゃないか…!?と、常に凶器を忍ばせる暗殺者の一面を再認識することになりました。
一方電車では永児くんと阿坂さんとアズミちゃんが揃って計画の阻止へと急行中です。前々から自殺してお金を得る方法が疑問でしたが、それもちょっとだけ内容が阿坂さんから明かされましたね。単に自殺するんじゃなくて、依頼人が希望した時間に人災を起こせるなら確かにビジネスチャンスが生まれそうです。もう一息情報が欲しいところですが、少なくとも本気で自殺する意味があるってことが分かっただけでも十分ですね。ほっといたら峰くんのお母さんは本当に死んでしまうでしょう。永児くんたちの頑張りが実を結ぶよう、より一層応援したくなります。
ただ自殺阻止部隊の意識に食い違いがあるらしく、永児くんとは違い阿坂さんは峰くんのお母さんを見殺しにするつもりのようでしたが、これも理解できない話じゃありませんね。犯行の実行まで見届けて証拠を固め、犯人を確実に始末するわけです。犯人が振り込んだお金は正当な報酬として、峰くんの家族へと行くのでしょう。それでお終い!になるんですから悪いだけの話じゃないはずです。永児くんがやろうとしていることは、自殺はしません!こんな酷いことをさせようとした犯人を懲らしめます!借金は払いません!の欲張り過ぎな結末を狙っているようにも捉えることが出来ます。そりゃ知り合いの人生がかかっているんですから遠慮はいらないかもしれませんが、欲張ればその分身の危険も増えるから阿坂さんもやろうとしなかったのでしょう。でも突っ走る永児くんに付き合っちゃう阿坂さん。大変だねぇ。
というわけでクラスメイトのお母さんを助けるため、永児くん、阿坂さん、アズミちゃん、千原くんの四人が八王子駅へと集結しました。一方配置されたクラスメイトのお姉さんを助けるために、豊田駅には喜多見さん一人が向かいます。〜ッッ圧倒的!圧倒的戦力差!両方の駅に敵がいるかもしれないのに、永児くんは三人のバックアップが付いて、喜多見さんは一人!みんなが永児くんを心配して駆けつける様は、まるで永児くんがお姫様、まさにヒロインのような扱い方です。ヒロインは喜多見さんじゃなかったのかよ!そういえば永児くんは千原くんにも阿坂さんにも割と丁寧に扱われている印象がありますね。だって対する喜多見さんは、阿坂さんの掌底を至近距離から喰らい、千原くんから毒殺攻撃を受けていましたよ。永児くんよ、そんな目にあった事一度でもありましたか?なんでヒロインの喜多見さんは両方とも経験済みなんですか?ヒロインじゃないんですか?
仲間に囲まれチヤホヤされてる永児くんが姫なら、単身で敵地に挑む喜多見さんはさながら騎士です。ほたるの群れには同じクラスメイトにアズミちゃん、穴井さん、相沢さん、などのヒロイン候補がいますが、喜多見さんだけはやはり別格です。ピンチを演出して物語を盛り上げなくて何がヒロインか!貴様(クラスメイト)らに致死性の猛毒を受けるだけの勇気がある奴はいるのか!そして主役が到着するまで死なない根性がある奴はいるのか!単身で豊田駅に向かう気のある奴はいるのか!腑抜けども、アタシの女優魂をとくと見な!
…そういった喜多見さんの心の雄叫びが聞こえてくるようでした(幻聴)