【沢村凛】ヤンのいた島

ヤンのいた島 (角川文庫)


本日の適当チョイス。表紙に惹かれたか、新刊宣伝の帯に惹かれたか、きっかけは忘れましたが手に取ったら日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞を受賞と書かれていたのが決め手です。受賞年度は1998年ですか、結構古いのね。
そんな感じで今回は「ヤンのいた島」
幻の生物「ダンボハナアルキ」を見つけるために大学院まで進んだ野心溢れる女性が主人公です。子供の頃に夢見た生き物に出会えるなら手段も選ばない勢いで邁進してきたため、取り敢えず学生の内になんとか機会に恵まれちゃったわという感じで今回の調査に出向かいます。場所は20世紀初期まで発見されなかったという、人類最後の秘境ともいうべき島。空想上の生き物と思われていたダンボハナアルキが存在するならそこしかないという事で、未開の地へと繰り出します。さぁ、世紀の発見は成されるのか、調査団の大勝負が始まり始まりですね。となると最初は思ってた。
違う…!未知の生物など建前…!本当の目的はゲリラ…!特殊訓練を受けたゲリラだったなんて!
この本のタイトルのヤンとはゲリラのリーダーの名前です。内部紛争で揺れ動く不安定な島の実情を語りながら、主にゲリラにとっ捕まった主人公さんが森の中をひたすら歩かされるのが実情になります。どこ行った!ダンボハナアルキはどこいったんや!あと基本的に主人公さんの性格がなかなか酷くて、撃ち殺すには罪悪感があるけど連れまわすには鬱陶しいという、ゲリラ側に同情するくらい良いキャラクターをしていました。
続くゲリラ戦に鬱陶しい主人公…なんなんだこれはと思っていましたが、…なるほど!そういう最後なら許す!全部許す!話のメインはそっちだったんだね!という感じでなんか納得する最後でした。
へへっ…嫌いじゃないぜ俺!