【恩田陸】ネクロポリス 上(1日目)

ネクロポリス 上 (朝日文庫)

好きじゃない本ぼしゅう 1月のコメントより。
『テーマ:好きじゃない本』
>個人的に読んでいただきたいのは恩田陸さんの「ネクロポリス恩田陸さんは好きでいろいろと読んだのですが、ネクロポリスは個人的にどうしてもいただけない本です。正直めちゃくちゃ面白いのですが、最後でなんかもう「なんだよ…」と。もやもやがとても残りました。ここまで読んだのはいったいなんだったんだと。最後だけ書き直すか、別の方に書いてほしいくらいです。何年も前に読んで、終わり方をいまではもう忘れてしまったのに、この悔しさだけは覚えています。よろしければ、ぜひ。



その想い、受け取ります。
本の面白さは万人受けするものばかりではなく、そして面白さの基準もまた人それぞれだと思います。楽しかった話や悲しかった話、怒りが湧き出るようなつまらない話など読み終わった感情で面白さを判断するのではなく、読んでいて感じた「何か」の大きさで本の面白さを決めようと個人的に思っています。一応今までも「面白い本」なんて言葉は使わないようにして、好き勝手おすすめして貰いたいなと思っていたのですが、イマイチ分かりにくいので今回あえて「好きじゃない」本を募集してみました。来ました。ヤッター。自由なおすすめって素晴らしい。
というわけで本日はこちらの本「ネクロポリス」よりお送りいたします。
作者の恩田陸さんは、このブログには感想は無いものの私もいくつか作品を読んだことがあります。「麦の海に沈む果実」が特に好きでした。ブログ開始以前に読んだきりですから、この作者さんとは5〜6年ぶりくらいになるんでしょうか。ろ、ろくねん…。うっかりしてると時の流れは一気に進むなぁ。
さて「好きじゃない」という本を紹介してはもらったのですが、残念ながら私は読み終わって「コンチクショー!」と言っちゃうような敷かれたレールを歩むような真似をするつもりはありませぬ。いろんな面白かったところを探しますので、そう易々とお仲間が一人増えると思ったら早とちりというものです。クックック…(前振りです)
まあ実際のところは知りませんけどね。まだあらすじすら読んでないし!というか上下巻あったことすら予想外だったよ!
そんな感じで絶賛読み途中ですが、内容の方をちょっと見ていきたいと思います。
始まりはなんだか儀式中の場面へ問答無用に突っ込まされていきました。説明もろくにないので何をしているのか、何をそんなにビビっているのか全然わかりませんが、超常現象が日常的に起こるファンタジーなんだろうかと最初は思いました。というかここはいったい何処じゃ。
しかし話が進むと日本の東京から来たという学士の青年(主人公)が現れて、どうやら現代のどこか外国だという事が分かりました。彼が来たのはアナザー・ヒルという、お彼岸になると各地から許可を貰えた人たちが集ってお祭りのような賑わいを見せる森深くの土地です。この土地ではなんとお彼岸の時期に死者が本当に訪ねてくるというのです。何それチョー怖い。故人に会えるとあって各地からの注目度も高く、地元民も国も警察も様々な形でこのアナザー・ヒルへと集まってきます。ここはいったいどういう世界なのかはまだ掴みきれていませんが、ファンタジーと現代文化が混じり合った不思議な場所ではあるようです。死者と再び会える土地…、この地に眠る謎を追い求めるアドベンチャーが始まるんですかね。ワクワクしますね。
近年巷では連続殺人鬼が話題になっていまして、ちょうどいいところに死者が訪ねてくる場所があるものですから、ここで被害者に出会って目撃情報を貰おうなんていう動きもあるようです。どうやらバリバリ犯罪捜査には使っているらしく、入山する住民には死者との交流を記録する義務なんてものもあります。この連続殺人鬼も今後大きくお話に関わってくる存在になるのでしょう。
この土地には他にも不思議な事がいろいろ起こるようで、夜中になれば雷鳴と共に巨大な雹と盛大な音楽が降り注ぐという原因不明のビックリショーなんかもありました。現実と非現実の境目が曖昧で、なんとも面白く興味が惹かれます。実にミステリアスです。
そしてはるばる旅路をやってきた人々を、首を切られ赤く染まった吊るされた死体が華やかにお出迎え。何ともインパクトのある歓迎方法で旅行客の話題もますますヒートアップ。警察もやってきて早速捜査も始まりました。
主人公の青年と、いとこの女性たち、親交のある教授に船の上で仲良くなった仲間たちにと、各々は犯人の推理を楽しみながらこのお彼岸を過ごしていくようです。正体不明の犯人に、偶然遭遇した殺された犬の死体、そして日にちが進むと見つかる第二の犠牲者…。
(;゚Д゚)  …ミ、ミステリー!? なんか犯人探しのミステリーっぽくなってきた!?
思いっきりファンタジーな出来事がある中でトリックが成立するのか予想できませんが、少なくとも今の雰囲気は推理物の様相が見え始めています。ムムム…、だけども面白くなってきていることは間違いない…。
上下巻で約900ページとなかなかのボリュームがあるので、今日のところはこれでいったん終わりです。盛り上がってまいりました。