探偵失格 愛ト謂ウ病悪ノ罹患、故ニ我々ハ人ヲ殺ス (2日目)

探偵失格―愛ト謂ウ病悪ノ罹患、故ニ我々ハ人ヲ殺ス (電撃文庫)



  orz   うあぁぁぁーー!!! (読み終わって)
( ゚Д゚)  ああぁぁぁーー!!!(やりきれない想いで)



言うな!何も言ってくれるな作者さん! あとがきで「本格推理ものではありません」とか言ってくれるな作者さん! 作家なら本文中で語れよコノヤロウ!
フフフ…わかっていたよ、実際はとうの昔にわかっていたのだよ…これは勝ち目のない推理勝負だという事は。それでもなお作者さんの用意した舞台に乗っかって犯人探しに付き合った私は、全力でこのお話を楽しもうとしていました。ええとても楽しかったですよ。よくもここまで私を弄んでくれたわね!やってくれるじゃない!
このお話はオーソドックスな推理小説のように、人里離れた洋館で起こる殺人事件と、アリバイ崩しに挑む探偵役を盛り込んでおり、終始正体不明の殺人鬼の影を潜ませる緊張感を演出した作りになっていました。探偵の助手的ポジションの主人公くんは、お話の多くの場面で事件の状況を調べるためにそこら中を歩き回ったりします。でもこいつがかなりの曲者!
ライトノベルの常識、世間の非常識。お話はこの主人公くんの一人称視点で進んでいくので、見るのも聞くのも全てがこいつ頼りで進んでいきます。即ち客観的に舞台を考察する道は読者には閉ざされている! 代わりにライトノベル常識にすっかりやられた主人公くんの脳内から虚構と事実を選り分け、なんでオマエはそこを疑問に思わんのじゃと知りたいこともままならない不自由を耐え忍びながらの推理戦となります。オメー事件が起こったとき通信手段が断絶してるから警察を呼ぶことすらままならないとかなんとか言ってたが、ツレの姉ちゃんが人語を話す便利なカラスを普通に飛ばしてるじゃねぇか!良く見ろ、他の奴らが何を隠してるかわかったもんじゃねぇぞ!
一旦結論付けたのでもちろん主人公くんはそんなことはもう調べません。くっ、上等だ! まあ舞台に集まってる人数は少ないので犯人の目星を付けることなんか結構ラクショーっすよ。
…ただそれが真実だと確定することが不可能なんだ…
晴れないもやもやを抱えたままの答え合わせのお時間。犯人がお披露目されたとき、わかっていても確信が持てなかった自分の不甲斐なさに泣きました。無理だ…俺にはこの事件は荷が重すぎたんだよ…。
そんな潔く負けを認めようとした私をあざ笑うかのような怒涛のクライマックス! 登場人物たちが未知の超常現象を操り、目の前で死闘を繰り広げ始めた!始めやがった!トリック、アリバイうんこくらえ!本当に推理は不可能だったってわけだ!


  orz   うあぁぁぁーー!!! (読み終わって)
( ゚Д゚)  ああぁぁぁーー!!!(やりきれない想いで)


要はこのお話の見せたかったところは、裏で語られる政府の特殊な組織の設定とか、可愛い女の子がスーパーパワーで悪者をなぎ倒すときめき感とかだったというわけでございます。ああ、道理でやたらむずかしい漢字を使ってむずかしい事を言ってるわけだ。そういうの、ことばで説明されてもよくわかんねーんだボク。
さーて以上、そんなこんなで楽しんだ2日間でございました。
え、面白かったようには見えないって? バカヤロー! 面白くなくても楽しんだっていいじゃねーか!中二バトルにもライトノベルちっくな女の子にも心ときめかなくても楽しんだっていいじゃねーか!こんなに人の心を揺り動かせるのはなかなかのもんですよ。
歪んでいるかもしれないけど、それがボクのライトノベルの楽しみ方。