きぜんと撤収!! 邪神大沼8

きぜんと撤収!! 邪神大沼 8 (ガガガ文庫)


ゆるゆると続いていた邪神大沼のシリーズもこの巻で完結。とうとう最終回を迎えました。
低級な邪神からスタートした平凡な主人公も8冊をかけて上級邪神までクラスアップし、最後の戦いへと繰り出す事となります。大沼の勇気が世界を救うと信じて…!
…って、あれ?最終回?
(; ゚Д゚) ええええぇぇぇ!!?
どうもこんばんは。本日はこちら、突然の終わりを迎えた邪神大沼の8巻よりお送りします。うん、本当に突然。
ちょっと待てよ、今までの話のペースならあと20冊は続けないと進んだ感じはしないだろ!と思うほどグダグダしたギャグストーリーを展開していましたので、始めにこの事実を知った時は流石に驚きましたね。7巻の時もそんな素振りは全然ありませんでしたもの。ただよく考えてみれば7巻も続けても大して進めるべきストーリーが見当たりませんでしたので、打ち切り以外の終わり方は確かになさそうだと何故か納得も出来ました。まあ、来るべき時が来たんですよ。
というわけで突然の最終回らしく、初級邪神でずっとうろついていた大沼が何の伏線もなしに始まって一行目で上級邪神なんとかかんとかというものにランクアップします。マ、マジでお話をたたみにきてるじゃないか!次々と核心となる設定も明らかにされていくぞ!露骨な説明文を自虐でギャグ化することで、大沼らしいいつものノリをキープしつつ急速に舞台を収束に向かわせるという手抜きなんだか高等なんだかわからない手法を駆使しています。ただ、大沼は最後まで大沼でしたね。
シュールなギャグが売りのお話でしたが、この最終巻はそのシュールさにちゃんとしたオチを付けていくような方向に進んで行き、最後には大団円を迎えてきっちりと終わらせるという、意外にしっかりした結末を用意してありました。
ただ個人的には、ヘンテコだった大沼の世界が次々と普通の日常に戻っていくようで、ちょっと寂しい気分のする最終回でしたね。首が折れても復活する人間離れしたタフネスさもなくなり、普通の人間に戻れた大沼ですが、それは嬉しいようなでも寂しいような入り混じった気持ちを感じます。
でもまあ伏線回収もやることはやっちゃったし、続きを出すには難しいくらいの締めもしちゃったしでこれにて完結。ネタ切れならしゃーない!
さらばだ大沼!面白かったよ!