【宮沢賢治】銀河鉄道の夜 (2日目)

銀河鉄道の夜 (角川文庫)


ゆっくりと銀河鉄道の夜も読み終わりです。
というかこれ童話でいいんでしょうかね。言葉遣いがかなり不思議な感じなので子供に読み聞かせてもちんぷんかんぷでしょうし、逆に子供にせがまれてどういう意味か大人が説明しようとしてもはっきりと答えられるとは思えんねぇ。自分もよくわからないうちに宇宙を走る汽車に乗っかっていて、きらきら輝く宝石のような星々を眺めてぼけーっとしているうちに、ふと目が覚めたジョバンニの場面と同じようにお話の方もふと終わっちゃってた感じだしなぁ。
お話というか長い詩でも読んでるんじゃなかろうかと思う言葉遣いで、文章の意味がなんかこう、ゆっくりと染み入る感じで頭の中に伝わってきますね。さらっと読むと、文字は読めるんだけど意味がさっぱり分からなくて、しかたないから一文字ずつ拾い集めるように読むと、ようやく何をやっているかが見えてきてほうほうなるほどなるほどとなるんですけど、結局意味は分からなかったりします。鳥を捕まえてるおっさんは何やってんだあれ。まあでもそれでもいい気がしてくるので不思議です。
個人的には「この切符は三次空間のほうからお持ちになったのですか」というセリフにSFの香りを感じてちょっとときめいたり、輝き方を様々な宝石の輝き譬えて伝えられる星々の様子を想像してうっとりしたり、どこからともなくやってきては目的を持って駅を降りていく他の乗客たちにミステリーを感じたりしながら、世界観に魅入られる感じで楽しんでましたかね。主役のジョバンニとカムパネルラがいったい何をやっていたのか想像し甲斐がありますが、実のところ誰にもわかりはしないんじゃないかという気もする分、気楽な感じでいられます。いいねこれ。
作品名自体はずっと前から知ってましたが、我ながらいいタイミングまで待って読めたと思ふ一日でした。