【中村弦】天使の歩廊 ある建築家をめぐる物語 (3日目)

天使の歩廊―ある建築家をめぐる物語 (新潮文庫)


( ゚Д゚)  ほ、ほぎゃーす。別に最後だからって何かあるってわけじゃなかったー!
わからないものはわからないまま。少し不思議な笠井さんの生態は謎なまま終わってしまいました。この終わり方なら6章あるお話のどれで終わっても同じじゃないかなと感じる捉えどころのなさ。お話の雰囲気は最後まで一貫しているのはイイ感じです。
これの読みどころは、やたらと詳しく描写される主人公の笠井さんが建てた建築物の佇まいですね。時代背景とか、友人の目を通して描かれる笠井さんの人柄とか、依頼人がその建物に込めた願いだとか建てた後に受けた感激の様子だとか、その辺を手掛かりにしてひたすらイメージ!イメージ!笠井さんの建てる建築物の神秘性は、作中でまるで別の世界のために建てられているようだとの形容がされます。
各章のオチは、噂のすばらしい建物を読者の頭の中に造り上げることなんでしょうかね。お絵かき歌とか…そんな感じで小説を読み終るとそんな建物が描けているというような…。俺?エッシャーもびっくりなものすごいチグハグな家が建ったよ。まあ、ある意味この世のものではない建物は完成したな。
スゲー!そういう事かとそんな結論に達して一人納得してる俺。天使の歩廊、読み終わりです。