あえなく昇天!! 邪神大沼7

あえなく昇天!! 邪神大沼7 (ガガガ文庫)


邪神大沼って作品のギャグの楽しみ方はこう、大自然の神秘とか自然現象に魅せられるのと同じような感じがしてきました。
山の天気のように移ろいやすい話の目的、夕立のように突然やってくる場面の転換、そして何があってもまた昇る朝日のように何事もなく続いて行くお話。ぐだぐだですか? いえ、邪神大沼です。
今月のガガガ文庫より「あえなく昇天!! 邪神大沼7」をお送りいたします。
取り敢えずね、大沼さん死にます。今まで首がねじ曲がろうが骨がバキバキに折れようが邪神だからの理由で完治してきたのに、開幕3ページでパンチ喰らって昇天します。え、なんで今さら死んでしまうん?とは思いますが、いつだって死ってのは突然やってくるもんだよな…と素直に物悲しい現実を受け入れてしまう私がそこにいました。理不尽だ!とか身勝手すぎる!とか、森羅万象に文句言うのは違うじゃん?大沼もそんな感じ。
後はまあ、姉小路はいつも通り人間のクズだなとか田中さん今回は可愛かったなとか、繰り広げられる大沼のドキュメンタリーを適当に観賞いたしましょう。いつだって大沼は筋書きのないドラマなのさ。凄いよ、ホントに小説かよこれ。
あ、初代スターターキットさんがキャラ的にとてもグッドでした。あの常人とは違う常識で生きている感じのヒト。前に大沼が分裂して出てきた女の子版大沼(改めて書くと状況がさっぱり想像できないな…)とか、作者さんの描く良く分からない常識で生きているヒトが個人的にイイ感じなのです。