ディスコ探偵水曜日 (中)

ディスコ探偵水曜日〈中〉 (新潮文庫)


各表紙にはなんだかアニメチックなロリぃ女の子が描かれていますが、誰だお前は!お前のせいで微妙に買うとき恥ずかしかったぞ!これを描いたイラストレーターは、いったいどの登場人物をモデルにして描いたんでしょうか。舞城王太郎氏の手にかかれば、たとえイラスト通りの女の子が出てきたとしてもなにか違うものになるのは分かりきってるのよ!
さてそんなことは置いといてディスコ探偵の続きです。
えーと、なんというかとりあえずすごいです。
まず上巻では超常現象的な事件の起こり方でミステリーとしての意識がぶっ飛ばされました。次に常識が裸足で逃げ出すような展開のラッシュで私の意識はもうガタガタ。中巻は探偵たちが結集してこのわけのわからない世界を無理やり理論立てようとしまくるため、もう意識を保つので精一杯の状況です。
取り敢えず殺人事件が起こるんですよ。そしてそこに名探偵と名乗る人物たちが結集して犯人捜しをしているんですよ。状況証拠を集めてやれこうだとか、人物関係を調べてやれああだとか、全ての事柄に意味を見出して筋道を立てて推理をする。ちゃんと理論立てて、矛盾のない真実というものを推理してるんですよ。そんでわかった!と意気揚々とみんなの前で名探偵らしく推理を披露するんですが、推理が間違っているとその人は目玉に箸を突き立てて死んじゃいます。わけがわからないです。
そんな感じで推理を披露した探偵たちは次々と死んじゃいます。みんな目に箸を突き立てて。狂気ですね。カオスですね。もう推理する本人が矛盾の塊のような存在なのに、それでも殺人事件を論理立てて推理しようとする探偵たちに私の意識は瀕死です。壮大な仮説トリックが贅沢につまっているのがこの中巻。こじつけや見立てなんてお手の物、圧倒的物量でひたすら攻めてきます。まともに理解するのも狂気だけど、これを執筆するのも相当な狂気だぜ!